社内やクライアントとの会話やメールで使われる、ビジネス用語。議題を「アジェンダ」と呼び、自社のことを「弊社」と言うなど、それなりの社会人経験を持つ人であれば、耳にしたり使ったりしたことがあるだろう。
しかし、中には「それって、本当に正しいの?」と首をひねりたくなるような言葉も存在する。例えば「ごPDF」「弊ID」など、以前からインターネット上で話題になっている過剰な敬語も、その一例だ。
そこで今回は、どこまで実際に使用されているのかは定かでないが、さまざまなリサーチによって浮上した「あり得ないビジネス用語」を紹介しよう。
「おミーティングを行いたい」「この日時でおフィックス」
以前、某ブランドの広報を担当していたというYさん(30歳・女性)は、ある日、クライアントから送られてきたメールに度肝を抜かれたという。
「新商品の会議を行う際、先方から『弊社の会議室で、おミーティングを行います』というメールが来たのです。最初は『打ち間違いかな』と思っていたのですが、後日、別のメールの文面にも『ご質問があります』というおかしな敬語があったので、たぶん本人は真面目に使っているのでしょう」(Yさん)
さらにYさんを驚かせたのは、「会議は、この日時で、おフィックスいたします」というダメ押しメールだ。
「カタカナに『お』をつけること自体がどうかと思いますが、『おフィックス』までいくと、もはや下ネタのようにも聞こえるじゃないですか。完全に『尊敬語や謙譲語の使い分けができない人なんだな』と思いました」(同)
一方、教育業界で10年のキャリアを持つAさん(35歳・男性)は、職業柄、言葉の使い方には気を使ってきただけに、ある若手社員の言い回しにいつもイライラしているという。
「一緒に、外部向けのリリースを作成していた時のことです。冒頭に『関係者各位』と書くべきところを、彼は『関係各位様』と記していたのです。各位は『みなさま』という意味なので、『関係各位様』は明らかに変ですよね。ほかにも『弊課』や『弊社員』など、誰も使わないような言葉が頻発するので、本当に困ります」(Aさん)
転職サイトで出会った「エスタブリッシュメントなジョブ」
また、多くの人が遭遇しているのが、おかしなカタカナ英語だ。最近では「サラリーパーソン」という微妙な言葉も耳にするが、女性向けのキャリアセミナーを受講していたGさん(29歳・女性)は、講師が使っていたカタカナ英語に違和感を持ったという。