嫌な仕事やダイエットなど、めんどうなことはついつい先延ばしにしてしまう。何か目標を決めたり、決意したことに対して、その決意がくじけてしまう…。そんなことは誰にでもあることだろう。やらなければいけないと頭では分かっているのに、やる気が起きないようなことを実行に移すにはどうしたらいいのだろうか。
『最後までやりきる力』(スティーヴ・レヴィンソン、クリス・クーパー著、門脇弘典翻訳、クロスメディア・パブリッシング刊)は全米ベストセラー著者の臨床心理士・スティーヴ・レヴィンソン氏とエグゼグティブコーチ・クリス・クーパー氏が、長年現場にたずさわった経験をもとに、決意を確実に行動につなげ、最大の成果をあげる方法を紹介している。ここでは2つピックアップする。
(1)退路を断つことが前進の最良の方法である
まず、後戻りできなくすることが、前に進むための最良の方法であるということだ。キャシー・トレイシーさんは、手こぎボートで大西洋を渡った世界初のグループのメンバー。女性だけの4人のクルーは、外部とコミュニケーションが取れない状態で激しい風と波に耐え、病気と怪我に苦しみながら、67日間の試練を乗り切った。
あきらめなかった理由に「始めた瞬間に、あきらめるという選択肢はなくなりました。あとは泳いで帰るしかありませんからね」と、トレイシーさんは説明した。退路を断つことで、前に進むしかない状況に追い込んだのだ。
(2)差し迫った理由を作ることも有効
もう1つは、やりとげる決意をするのにまっとうな動機が必要だが、実行するにはそれとは別の差し迫った理由が必要だということ。ジョーさんは、面倒でジムに通えていなかった。この現状を打開するため、自分と2つの約束をした。1つはワキガ用の防臭剤を1本しか持たないこと。もう1つは、その防臭剤を自宅のバスルームではなく、ジムのロッカーに保管することだった。この2つの約束だけで、ジョーさんは決意を実行に移すことができた。なぜなら、運動が大事だからではなく、そうしないと、どこに行くにも悪臭を放つことになるという恥ずかしさがあるからだ。だから、毎日ジムに行きはじめた。そして、せっかくジムに行ったのに、防臭剤を使っただけで帰るのはバカバカしかったので、運動もするようになったのだ。
面倒なことや目標を1つ1つクリアしていくことによって、プライベートも充実し、仕事やキャリアでも、より大きな成功を収めることにつながるはずだ。目標を達成できずに挫折してしまう。そんな人は、本書から最後までやりきる力を培ってみてはどうだろう。
(新刊JP編集部)
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※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。