本を読むスピードが速くなれば、よりたくさんの情報や知識を身につけることができるのに。特にビジネス書や実用書を読んでいるときに、そう感じたことはないだろうか。
本から効率良くたくさんの情報を吸収するには、「速読」のスキルが必要だ。そして、その「速読」のスキルを身につける方法をここで紹介したい。
YouTubeチャンネル登録者数約104万人を誇る炎の講演家・鴨頭嘉人さんは著書『究極の読書法~購入法・読書法・保存法の完成版』(かも出版刊)で、1日10分でできる速読トレーニング法を明かしている。
本書によれば、本を読む速さとは「脳が文章を認識するスピード」だという。
文字を追いかけるスピード、文字から意味を認識するスピード、その2つの遅い方が文章を読むスピードになる。
つまり、この2つのスピードをあげるトレーニングすることが大事だ。
本書ではそのための4つのステップが明かされている。一つずつ見ていこう。
■STEP1:1分間計測
最初のステップは、1分間に何文字を読めるのかを計測するというもの。
計測で使う本は自分が好きなビジネス書で良い。ただし、無理に速く読もうとしてはいけない。普段どおりの読み方で読むことが大事だ。文字計算式は次の通り。
{(完読ページ数 × ページ内行数)+ 読了行数 }× 行内文字数
例えば、1分で3ページ目の6行目まで読んだとする。その場合、完読ページは2、読了行数が6となる。ページ内行数は本によって異なるが、多くビジネス書の場合、18行前後。そして、行内文字数はだいたい40文字前後だという。それをこの計算式に当てはめると、次のようになる。
{ 2 × 18 + 6 }× 40 = 1680文字
鴨頭さんによれば、日本人の平均値は1分間で約600文字。この計算式を使って今の自分の速さを調べてみよう。
■STEP2:眼筋トレーニング
続いては視野を広げるトレーニング。
まずは左右の幅だ。両手を肩幅ほどに広げ、人差し指を立てる。そして顔は真正面に向けたまま、目だけで左右の人差し指に視線を振る。視線のスピードを加速していき、10往復。その後は軽く目を閉じて深呼吸をする。
続いて上下の動き。おでこの前に右手の人差し指、顎の前に左手の人差し指をセットし、同じように目だけで上下の指を追う。10往復が目安で、終えたら1回深呼吸をしよう。
最後は遠近。3メートルほど離れた場所に目標物を定め、左腕をグッと前に伸ばし人差し指を立て、右手の人差し指は顎の前に立てる。そして、目標物、左手、右手の3点に焦点を順番に合わせていく。遠く、真ん中、近く、真ん中、遠くと10往復したところで、深呼吸をする。
眼球の動きコントロールする筋肉をほぐし、目の動きがスムーズになるという。
■STEP3:マインドフルネス呼吸法
3つ目のステップは脳を活性化するための呼吸法だ。
まずは姿勢から。椅子に浅く座り、足裏はペタンと地面につける。背中は反らさず、天井から頭がつるされているようなイメージを持つ。手はOリングをつくり、軽くふとももの上に乗せる。
そして、呼吸だ。まず体内の息を全て吐き切る。そして、自分のペースで10カウントしながら鼻で息を吸い込む。一瞬息を止め、吸い込んだ空気をお腹に落とすイメージを持つ。そして10カウントで口からゆっくり息を吐き切る。これを5セット繰り返す。
■STEP4:文字限界トレーニング
最後は文字限界トレーニングだ。
これは書かれた文字が見えるか見えないかの限界スピードで、本をパラパラめくるというトレーニング法。ポイントは「読もうとしないこと」だ。限界のスピードに目を慣らすことで、限界速度で本を読むことができるようになるという。
文字は「読む」のではなく「見る」という認識を持っておくといいと鴨頭さん。
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この4つのステップを毎日行うことで、少しずつ読むスピードは速くなっていく。
『究極の読書法~購入法・読書法・保存法の完成版』にはこうした速読法の他に、本の選び方、そして情報の保存方法を伝授してくれる。ビジネスセンスをあげるために必須ともいえる「読書」という行為。でも、なかなかページを進められなくて…と悩んでいる人は参考にしてみるといいだろう。
(新刊JP編集部)
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。