本好きな人なら「こんな書店に行ってみたい」という「理想の本屋」に想いを馳せたことはないだろうか。
インターネットで簡単に買えてしまう時代だが、お気に入りの本屋に足を運び、本を選びたい読書家も多いだろう。
『まだまだ知らない 夢の本屋ガイド』(花田菜々子、北田博充、綾女欣伸編集、朝日出版社刊)は、“まだどこにも紹介されたことのない”日本全国の22の本屋を、現役の書店員たちが紹介した一冊だ。
本選んだ本をお持ちする相手がすでにこの世にいない「月蝕書店」、車内を覗くと一号車がまるごと本屋だった「本屋列車『おくのほそ道号』」、作家名も誰一人として検索に引っかからない「プックス高円寺」など、夢と理想が詰まった本屋たちが描かれている。
■本屋の奥にある秘密のドアを開くと…?
本書で紹介されている22のうちの本屋のうちから、1つ紹介しよう。
本屋の奥にある秘密のドアを開くと、そこには裏の本屋がある…。そんなロマン溢れる本屋が名古屋市内にある東海地区最大規模のメガ書店の奥にあるという。
その成り立ちは、「表の店」の創業者が70年前に15坪で開いた1号店が理想な本屋だったことから、それをもう一度再現してみたかったというものだった。
本のラインナップは表の本屋で取り扱っているもの。しかし、「本とひと」、そしての「ひととひと」の距離が近く、一冊一冊を吟味できるのだ。
プライベートサロンのような小さな本屋。こんな書店があったら行ってみたいと思わずにはいられない。
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22名の書店員が執筆した本書。文章の書き方も、インタビュー形式のものから年譜のみの形のものまでさまざまで、それぞれ違った楽しみ方ができる。
2017年は、本書に出てくるような魅力あふれる書店にたくさん出会いたいと思わされる一冊だ。
(新刊JP編集部)
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。