これからの職業人生、安定よりも上昇を求めたい。そんな就活生にとって、実際にキャリアアップし続けてきた人の話は気になるところ。
成長し続け、キャリアアップし続けられる人と、そうでない人との差は、どんなところから生まれるのか。体験者が語る答えは、意外なほどシンプルなのものだった。
■キャリアアップし続けるためのキーワード、「アチーブモア」
「自分は、どんな仕事をしたいのか」。
この点について、どれだけ具体的なイメージを持てているかどうかが、その人の成長スピードを決める。だからこそ、たえず「自分は、どんな仕事をしたいのか」と自問自答し続けることがキャリアアップにつながる。
そう主張するのは『新しい働き方 幸せと成果を両立する「モダンワークスタイル」のすすめ』(講談社刊)の著者、越川慎司氏だ。
越川氏は新卒時、日系の大手通信会社に就職。より大きな自由と権限を求めていくなかで、外資系通信会社の日本法人への転職、さらに起業を経験したのち、2005年に米マイクロソフトへ入社。2014年より2016年12月まで日本マイクロソフトの業務執行役員を務めていた。
自分の強みは何なのか。自分はどんな領域で勝負(仕事)したいのか。それらの点を強く意識することで、キャリアアップを実現させてきた越川氏。
「1年に地球を5~6周するほど」の海外出張をこなす等、グローバルに活躍してきた彼が大切にしているのが、「アチーブモア」という考え方だ。
■「自分でコントロールできる領域」を広げることの重要性
アチーブモアという言葉には、「いまよりももっと」「より多くのことをできるように」といった意味合いが込められている。
人はつい刺激や緊張を避け、「いまできること」にとどまろうとしてしまいがち。しかし、たえずこの言葉を意識することで、そうした居心地のよさから抜け出し、チャレンジングな状況へ飛び込むよう、自らを仕向けることができるのだ。
では越川氏はどのように、このフレーズを普段の働き方にどう落とし込んでいるのか。本書で同氏は、「内円」「外円」という言葉を用いながら、その点を明らかにしている。
内円とは“自己管理(体調・時間)”“作業の工夫”“人を巻き込むこと”“スキルアップの努力”といった「自分でコントロールできる領域」、外円とは“外部環境”“社会の仕組み”“企業の制度”といった「自分ではコントロールできない領域」を指す。
そして結論からいえば、内円を押し広げることによって、自由と責任の幅が広がり、より大きな成果をおさめやすくなる。つまり、キャリアアップへとつながっていく。
内円を広げるために、自分の強みを把握することが重要なのはもちろんだが、それと同じくらい、社内外に自分のことを理解・共感してくれて、なおかつ他者への強い影響力をもつ協力者を増やすことも大切だそう。
越川氏の場合は、困ったときに助けてくれる社外協力者を、常に五人持つようにしているという。
就職活動を控えている学生はもちろん、まだ自分のキャリアを形成しはじめたばかりの若手ビジネスパーソンにとっても、学びの多い本書。「どこへ行っても通用する人材」になりたいのなら、チェックして損のない内容といえるだろう。
(新刊JP編集部)
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。