消費者が企業活動に抱く疑問を考察するサイト ビジネスジャーナル ⁄ Business Journal
著者は思いを言葉にするには二つの戦略があると述べている。
そのうちのひとつは、「言葉の型を知ること」だ。
著者いわく、中学までに習ったはずの言葉の型を使うことが、自身の言葉を強くする最短距離だという。
その型とは、次の5つ。
(1)たとえる(比喩・擬人)
(2)繰り返す(反復)
(3)ギャップをつくる(対句)
(4)言いきる(断定)
(5)感じる言葉を使う(呼びかけ、誇張・擬態)
本書では、この型を有名な言葉を例に、その効用を解説している。たとえば、(1)「たとえる」では、
「今一度日本を洗濯致し候。」(坂本龍馬)
という言葉が挙げられている。
坂本龍馬が意図するところは、「今一度、日本を新しくしたい」ということだ。それを「洗濯」にたとえることで、聞き手側には「なるほど。きれいさっぱり洗いたいのか」と理解を進めることに成功している。
坂本龍馬にはしっかりした将来のビジョンがあったのだろう。その「内なる言葉」を整理し、自分の言葉として「外に向かう言葉」に変換しているので、伝わる言葉になっているのである。
表面的なテクニックを知識として覚えても、テクニックを活かす素材が悪ければどうしようもない。サッカーボールを蹴るためのテクニックを知っていても、実際に蹴れる筋力や身体感覚がなければ、サッカーは上手くならないのだ。これは伝えることも同じだ。
本書は、伝えるためのテクニックとそれを支える感覚やセンス、その両方を伸ばす方法を学べる。新社会人や新生活を始める人、ビジネスシーンからプライベートまで、多くの人に必要な一冊だろう。
(新刊JP編集部/大村佑介)
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。
Business news pick up
RANKING
11:30更新関連記事
2024.07.09 16:00
2024.05.24 21:00
2024.04.07 17:30
2024.01.22 16:54