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「こんな男とは結婚しちゃダメ」今こそ参考にしたい87年前のアドバイス

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「こんな男とは結婚しちゃダメ」今こそ参考にしたい87年前のアドバイスの画像1「婦女界」1930年4月号付録「結婚心得帖」

 少し気が早いが、5月から6月は結婚式まっさかりの「結婚式シーズン」である。

 そんな時期に水を差すようで恐縮だが、現在30代半ばの筆者の周りは皆ひと通り結婚して、今度は離婚する知人がちらほら。

 また、離婚こそしていないが、先日会った同世代の友人(女性)は、自身の夫を「25点」と評していた。不合格ということだろうか。世知辛い。

 花嫁が夫に25点をつけるまでに長い時間はかからない。

 しかし、披露宴では文句なしに幸せそうだったのに、わずか数年でどうしてこんなことになるのだろうか。結局、結婚する相手をまちがえたということだろうか。

■87年前の結婚指南本 その中身とは

 では、今より男女間の距離が遠く、オープンな恋愛がしにくかった時代は、結婚を失敗させないために、どんな教えが広められていたのだろう。

 戦前に人気を博した婦人誌『婦女界』は1930年4月号の付録で「結婚心得帖」なる冊子をつけた。これは、女性に向けて結婚相手の選び方や、初夜の振舞い、姑との付き合い方など、結婚前後の過ごし方をレクチャーするもの。実に87年前の結婚のいろは帖である。

 交際を通じて相手を見定めるのが難しかった時代だからこそ、「こんな相手はダメ」といった、予言めいた優れたノウハウがあったのではないか。そんなことを考えつつ、この古い冊子をめくってゆく、虻蜂コラム第4回である。

■今も昔も「愛があれば大丈夫!」は信用されない

 この冊子の「良人(夫)選択の心得二十四カ条」を読んでいくと、

・夫の生活力と相互の健康、性格の調和は結婚の三大条件

・財産は幸福を測る尺度とはなりません

・「愛は凡てを超越する」ものではありません

 などなど、「お金が全てじゃないけど、愛が全てでもないよ」というバランス重視、悪く言えば玉虫色の心得がつづられている(そのバランスが難しくて皆困っているんじゃないか)。

 しかし、当時から「やっぱ男は金でしょ、生活力でしょ」という女性はある程度いたようだ。やはり、今も昔も貧乏な男には世間も女性も冷たいのである。

■昭和5年の「こんな男とは結婚するな」は現代に通用するか

 貧乏男の長い歴史ぐるみの受難を思い知らされたところで、今度は「好みはすきずき、ですがこんな青年との結婚は避けませう(避けましょう)」という項目が目についた。

 「次のような青年との結婚だけは、ぜひ避けるべきです」と、かなり強い警告を発するこのリスト。「先人の知恵」といっていいのか偏見といっていいのかわからない、怪教訓揃いなので、いくつか紹介したい。これらをあなたはどう感じるだろうか?

・坊ちゃん育ちの我儘(わがまま)者……まあ、確かにいざって時に頼りにならなそうだよな、という気はする。

・にやけた男、所謂(いわゆる)美男子……今風に言えば「イケメンは信用するな」といったところか。

・大酒飲みの男……「不運と結婚するつもりなら、よろしく大酒飲みと結婚すべし」とのこと。そこまで言わなくても……。

・自家広告のうまい男、名士との交際を誇る男……今でいうと「オレオレ自慢」「芸能人の知り合い自慢」とは結婚するな。根拠は特になさそうだが妙に納得してしまう。

・良い友達のいない男……同性に好かれる人は確かに信頼できる気がする。

・不平ばかりこぼしてあるく男……「やがて妻の不平をこぼして歩きます」とのこと。

・猫の目のように意見の変わる男……言うことに一貫性のない人は一緒にいて心配になる。

・何事にでも一寸だけ興味を持つ男……「浅く広く」タイプは人として軽薄、とのこと。「チャラ男」に通じるところがあるような。

・二枚舌を平気で使える男、陰口をきく男……嘘はいかん。陰口もバレた時最悪。

・相手の気を決してそらさぬ男、御機嫌とりのうまい男……いわく「どこかのカフェーで知らぬ女給のご機嫌をとってます。」浮気しやすいということか。

・目上に馬鹿丁寧、目下に横柄ぶる男……これはもう単に性格が悪い。

 人を見る目に根拠などつけようがないので、珍説か偏見か先人の知見かという評価は読者諸氏にお任せしたい。ただ、1930年当時、日本人の離婚率が現在の半分程度だった。この背景には、男性の良し悪しをはっきり判定するこうした言説も、あるいは一役買っていたのかもしれない。

 今も昔も、結婚が人生の一大行事だというのは同じ。

 何年か経ってから「なんでこんな人と結婚しちゃったんだろ…」ということにならないように、くれぐれも相手選びは慎重に……。

(新刊JP編集部・山田洋介)

※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。

BusinessJournal編集部

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