学生時代は日記、読書感想文、願書、レポートなど。社会人になってからは報告書や企画書。さらにプライベートではSNSへの投稿など、どんな年齢でも、どんな場面でも「文章を書く」という機会は多い。
だが、文章を書くことに苦手意識を持っている人が多いのも事実だ。どうすれば苦手意識から脱却し、論理的な文章を書けるようになり、書くことが楽しめるようになるのか。
『一生ものの「発信力」をつける 14歳からの文章術』(笠間書院刊)は、作文や小論文の講座も担当していた河合塾現代文講師の小池陽慈氏が、「書く」悩みを「楽しみ」に変えるための論理的な文章の書き方を紹介している一冊だ。
論理的な文章を書く上でおさえておきたい作法がいくつかあるという。
1.原則として、一つの文章で扱う「話題」は一つ
話がバラバラだと、書き手が何を伝えたいのかがわからなくなる。だから、話題を一つに限定するという観点は、文章の構成における最も大切な要素である論理性と関わっていると著者は述べる。 論理性とは、文章を書き進めていく上での正しい順序のこと。これを守ることが大切だ。
2.「話題→論拠→主張」という構造を踏まえる
上記の話題を一つに限定することは、「話題→論拠→主張」の構造と密接に関わってくる。話題がバラバラだと論拠につなげることができないからだ。そして、この論理を守った書き方にすることで、文章全体を貫く首尾一貫した繋がりができる。
3.文章は、最初に「主張」を決定してから書く
この主張を決めるとき、「なぜそう言えるのか」「どうしてそのように主張するのか」を証明するための証拠が必要になる。
4.指示字数をクリアするためには、「論拠」に厚みを持たせよ
この「厚みを持たせる」というのは、「一つの論拠をより掘り下げて記述する」「二つ、ないしは複数の論拠を併記する」こと。
この他にも「一般論と主張の対比を用いると、主張がより明瞭になる」「論拠は複数用意する。ただし、一つ一つを詳しく書く」といった文章の作法とともに、自己PR文やレポートなどの例文も用いて論理的な文章の書き方が解説されている。
本書から文章の書き方を学ぶことで、書く楽しみを見出せるはず。臆せずにどんどん文章を書いてみよう。
(T・N/新刊JP編集部)
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。