新しい商品やサービスを考える会議。いいアイデアが誰からも出ず、気づいたら何も決まらないまま会議終了の時間。そんなことがよくありませんか?
その原因は、次の2つにあるのかもしれません。
・発言できる空気になっていない。
・アイデアが生まれやすい話し方をしていない。
上司から頭ごなしに「意見はないのか」「アイデアを出せ」と言われても、なかなか発言できるものではありません。また、お互いの発想を刺激し合う会話がなければアイデアは生まれにくいもの。
そんな停滞しがちな話し合いを劇的に変えるヒントが詰まった一冊が『博報堂のすごい打ち合わせ』(博報堂ブランド・イノベーションデザイン局著、SBクリエイティブ刊)です。
博報堂では、「会議」と「打ち合わせ」をはっきり区別しています。
「会議」は、情報共有のために行われ、司会役の議事進行(アジェンダ)のもと、一方通行で形式的に進んでいくもの。「打ち合わせ」は、考えやアイデアを積み上げていくために行われ、参加者全員が自発的・相互的に意見を出しながら、ひとつの答えを出すものです。
では、どうすれば「アイデアの積み上げ」と「参加者全員の自発的・相互的な意見」がある打ち合わせになるのでしょう。
■「50%の雑談」でアイデアは生まれやすくなる
博報堂の「打ち合わせ」は、なんと「50%が雑談でできている」そうです。
1時間の打ち合わせなら30分は雑談。普通の会社なら怒られそうですが、博報堂社員が、話し合いの半分を雑談に費やすのは、その裏にある3つの効果を知っているからです。
「全員が発言しやすい場になる」
若手社員にとって上司や先輩がいる場で発言するのは勇気がいるもの。しかし、雑談なら年齢や役職に関係なく発言できる空気ができて、さまざまなアイデアが出てきやすくなります。
「視野が広がる」
ある問題の解決策を見つけるとき、テーマに集中し過ぎると、思考や発想が狭くなってしまいがち。そんなときは、雑談であえて話題を散らかして視野を広げると、発想が拡散して思いもよらぬアイデアが生まれてきます。
「リーダーがメンバーの心理状態をチェックできる」
雑談をすると、メンバーの緊張や疲れ、悩みといった心理状態が見えてきます。参加メンバーの状態を見ながら話し合いの進行を変えることで、効率的な打ち合わせになるのです。
本書では、「アイデアは、人ではなく会話に宿る」と述べられています。「雑談」のチカラで会話をスムーズにすることが有意義な打ち合わせのポイントなのです。
■ブレイクスルーが起こる「8つの質問」
博報堂では、アイデアが見つかった瞬間、いわゆるブレイクスルーの瞬間を、「抜けた」と表現します。博報堂の研究開発局で調べたところ、「抜けた」瞬間は、「質問が発せられた瞬間」の後に訪れやすいということがわかったそうです。
では、どんな質問がブレイクスルーを生み出すのでしょうか?