著:小宮謙一、紫垣樹郎/集英社
新入社員として会社に入社してから約1ヶ月弱。新人の皆さんにとってはあっという間だったのではないでしょうか。ゴールデンウイーク明けには、より本格的な稼働が始まります。
では、その中で周囲と差をつけて、大きな成果を残せるビジネスパーソンになるにはどうすればいいのでしょうか。
『伝説の新人』(小宮謙一、紫垣樹郎/著、集英社/刊)から4回にわたってお送りする“成長する新人社員の特徴”。最終回となる今回は、周囲と差をつけるための「伝え方」、そして「仕事の学び方」についてご紹介していきましょう。
■伝達のミスを防ぐために注意すべき3つの点
仕事をしていると、誰かに物事を伝える場面が多くあります。
例えば、社会人の基本中の基本として挙げられるのが「ホウレンソウ」、つまり「報告」「連絡」「相談」です。特に新人時代は、どんなことをするにしても上司へのホウレンソウは欠かせません。また、上司以外にもプレゼンテーションや業務上の工程などで様々な人に何かを伝えるケースがあるはずです。
しかし、ちゃんと伝えたと思っても、伝達ミスは起こるもの。例えば自分が言ったことを相手がちゃんと理解していなかった、なんてよくあることです。特に慣れない新人時代にはよく起こりがちです。
こうしたミスを防ぐために、何かを伝える際には次の3つの点に注意すべきです。
【1】誰に→相手のことを明確にイメージする
まず、今から伝える相手が誰なのかをイメージします。その上で、どんな切り口で話せば、その人が自分の話に興味を持ってくれるのかを考えます。
【2】何を→伝えることの優先順位を明確にする
どの部分を重点的にして、どんな順番で伝えていくかで相手に与える話の印象は大きく変わります。相手に興味を抱かせるように順番を考えて、スートリーを組み立てていくことで、伝わり方は全く変わってくるのです。
【3】どう伝えるか→伝わる方法で伝える
最後は伝えたいことをどう表現するかという部分。具体的な数字を使ったり、最も適切な伝達手段を選ぶなどしましょう。また伝えるときも、相手だけではなくて、相手の向こう側にいる人(例えば、伝えた相手の上司など)にも適切に伝わるような伝え方をすべきです。
■研修だけに頼らずに先輩たちの技を盗め
就職活動中の学生や新人からの質問でよくあるのが「どんな研修制度があるのですか?」という質問です。しかし、著者は、会社が自分を教育してくれると思っているからこその質問だと指摘します。
もちろん、研修で業務や会社のルールを学ぶことは重要です。しかし、教えてもらえることが当たり前と思い、受身の姿勢になっていては、プロの厳しい世界で高い成果を出すことはできません。
重要なことは先輩たちの技を盗むこと。少し前までは、熟練者たちの技を盗んで習得しろと言われたものですが、今では「もはや盗んで学ばせる時代ではない」という考えのほうが主流です。だからこそ、盗んで学ぶ習慣を身に付けておくと、周囲と大きな差を生み出すことができます。
この連載では、チャンスをつかみ、高い成果を残す「伝説の新人」となるための方法について書いてきましたが、新人時代に身につけたスキルは自分が中堅、そしてベテランになっていく中でも大いに役立つはずです。
常に相手やさらにその向こうにいる人のことを見据え、学ぶ姿勢を持ち、成果を出すことを考えて、仕事に対峙する。そうしていればいつの間にか「伝説の新人」に呼ばれるようになっているかもしれません。
(文=新刊JP編集部)
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。
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