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「時は金なり」の名言を生んだ政治家ベンジャミン・フランクリンの「時間」観

新刊JP

「Time is money(時は金なり)」

 という格言は多くの人が知っていることだろう。では、この言葉は誰が遺したものか知っているだろうか?

 答えは18世紀に活躍した政治家ベンジャミン・フランクリンだ。彼は貧しい平民の出から実業家として大富豪へと成り上がり、のちのアメリカの独立にまで付与した人物である。

 「アメリカ建国の父」と呼ばれ、100ドル紙幣にも肖像画が描かれたフランクリン。その生涯をまとめた『フランクリン自伝』はアメリカ国民のバイブルともいえる。 節制や勤勉をうたった「十三の徳目」や世界最古となる格言入り日めくりカレンダー『貧しいリチャードの暦』に書き込まれた数百にも及ぶ格言は、「自己啓発書の原点」となっている。

 『弱さに一瞬で打ち勝つ無敵の言葉 【超訳】ベンジャミン・フランクリン』(青木仁志著、ライツ社刊)は、フランクリンの残した数々の名言を「超訳」したものだ。

 では、本書からフランクリンの名言と、青木氏の解説をいくつか紹介していく。

「時間は金そのものである」

 金持ちになりたければ、まず金持ちになること。それは、いかに金をつくるか、ではなく、いかに時をつくるか、を考えることだと青木氏は解説する。時があれば、金を増やすアイデアも生まれるのだ。

「ゆったりとした人生と怠惰な人生はまったく違うものだ」

 青木氏の解説によれば、ゆったりとした時間とは、やるべきことをやって、悠々自適としている時間であり、怠惰な時間とは、やるべきことを後回しにして、だらだらと過ごしている時間だという。確かにこれは人生においてもまったく同じことが言えるだろう。

「法律は蜘蛛の巣のようだ。

 小さなハエしか捕まらないのだから。

 大きなハエは目の前で蜘蛛の巣を突き破っていく」

 ルールを守らされる立場から、自分で抜け出そうとすること。そして、経営者や組織のリーダーなど、とにかく自分で仕組みを「つくる側」に回ろうとすること。それだけの違いで、世界の見え方も変わる、と青木氏は説く。

 ◇

 自己啓発の原点であり、資本主義の育ての親でもあり、デール・カーネギーやウォーレン・バフェットなど、偉大な作家・経営者たちが尊敬するフランクリン。誰もが知る「Time is money」という言葉でもわかるように、200年経た現在でも多くの人々に影響を与え続けている。

 そんな偉大な人物でも、実際は自分の弱さを認め、徹底した「習慣」によって自己を管理し、弱さに打ち勝った普通の人間だった。こういった背景があるからこそ、多くの人に受け入れられる言葉を遺したのだろう。

 フランクリンの言葉の数々の中から、今の自分の現状に合った心に刺さる言葉が見つかるはずだ。

(新刊JP編集部)
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。

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