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しかし、ドイツでは「長期休暇(有給休暇)を撮ることは労働者の当然の権利」という考えが根付いており、全員が交代で休みを取ることに罪悪感がない。むしろ、長期休暇を取る同僚には「思う存分楽しんできて!」と送り出す。自分も別の時期に長期休暇を取るからだ。
また、長期休暇が取りやすい仕事の体制があるという側面もある。
ドイツでは、仕事は個人(担当者)ではなく組織(会社)についている。つまり、特定の担当者が不在でも仕事が回る体制が整っているということだ。普段から部署やチーム単位で共有ファイルを構築する。担当者不在でも顧客に対応できる仕組みを設けておけば、対応不備になることもない。
また、担当者を1人ではなく2、3人のチーム制にすれば交代で休暇を取ることもできるし、自分が休む際の代理の同僚をあらかじめ決めておくという方法もある。本人が休暇している間に顧客から電話やメールが入ったら自動転送されるように設定しておくことも可能だろう。
ただし、日本には、管理職が実務をこなし、仕事が集まるプレイングマネジャー問題や、慢性的な人手不足という実態もある。根本的な組織のあり方や方向性を変えなければ、ドイツの働き方を100%真似するのは難しいかもしれない。
しかし、工夫の余地はある。まずは現在の働き方を変えるための仕組みや空気を、個人から、チーム単位、部署単位へと波及させることが必要なのではないだろうか。(大村佑介)
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。
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