年末ともなれば忙しさは増すばかり。
そんな時期だからこそ身体のメンテナンスはしっかりしておきたいところですが、「寝ても疲れが取れない」「疲れすぎて土日に何もできなかった」という人も多いはず。休んでいるのに疲れが抜けない、という人は「隠れ疲労」を疑ったほうがいいかもしれません。
『隠れ疲労 休んでも取れないグッタリ感の正体』(梶本修身著、朝日新聞出版刊)によると「隠れ疲労」とは、自覚できる疲労とは違う「疲労感なき疲労」のこと。しかし、疲労感がないからといって軽視することはできません。疲労感がないこと自体、体の変調だともいえるからです。
普通、疲れがたまると身体から脳へ「休め!」と警告が発せられます。しかし、気が張っていたり興奮状態だったりすると、脳はその警告を無視して「疲労感」というシグナルを出さないのだそうです。
それが「疲労感なき疲労」「いつまでも取れないグッタリ感」の正体。では、どうすれば「隠れ疲労」を解消できるのでしょうか?
■こんな人はご用心! 無視してはいけない「6つの疲れのサイン」
「隠れ疲労」の解消には、「“疲労感”なき疲労」に早い段階で気づくことが大切です。
脳が「疲労感」を無視している状態でも、6つのサインをチェックすれば「隠れ疲労」に気づくことはできるといいます。
・何事にもすぐ飽きてしまう
・電車に乗ると、次の駅までに“寝落ち”する
・起床4時間後に、眠気やだるさがある
・口唇や脇にヘルペスができる
・夜中に何度も目が覚める
・ツーンとした体臭(疲労臭)がする
こうした症状が1つでも当てはまるなら、「隠れ疲労」もしくは「隠れ疲労予備軍」かもしれません。
■むしろ疲れてしまう? 間違いだらけの疲労回復対策
多くの人は疲れを吹き飛ばそうと「間違った疲労対策」をしてしまっているようです。
本書では「世に流布している疲労回復法には科学的エビデンスがなく、むしろ隠れ疲労を助長するものまである」といいます。
それが次の5つです。
1.「栄養ドリンクを飲む」
栄養ドリンクは、微量のアルコールとカフェインの覚醒作用で一時的に疲れをごまかしているに過ぎず、疲労回復効果はないそうです。
2.「熱いお風呂につかる」
熱いお湯につかると脳に快感物質が分泌され気持ちよくなります。しかし、熱いお湯はむしろ疲れを助長します。40度くらいのぬるめのお湯で8~15分程度の半身浴なら、疲れを軽減させる作用が期待できるようです。
3.「運動で仕事の疲れをリフレッシュする」
運動をするとスッキリした感覚がありますが、これも脳の興奮物質や快感物質による作用。疲れている時には疲労をため込むだけになります。