ビジネスパーソンに必要不可欠なスキルと言えばコミュニケーション力だ。
マネジメント、営業、プレゼンや交渉、上司や部下への根回し。あらゆる仕事は会話というコミュニケーションなくして回らない。そんなコミュニケーションの入口になるのが雑談だ。
『超一流の雑談力』(安田正著、文響社刊)は、そんな雑談をレベルアップさせて、短時間で人の心にするりと入り込んでいくテクニックを紹介している。
年末年始には、親戚や友人と会う機会も多いだろう。そこで本書で紹介されているポイントを気にしながら雑談の練習をしておけば、仕事でも実践的に使っていけるはずだ。
では、どんなポイントに気をつければいいのかを本書からいくつか紹介していこう。
■雑談ネタの選び方
雑談は「相手を乗せる」ことが大前提。基本的には相手に合わせて話題や接し方を変えて、盛り上がりやすい空気をつくることが大切だ。
そこで悩むのはどんな話題を切り口にするかだ。著者によれば、テッパンネタである天気、最近のニュース、健康、共通のことなど、「誰にでも当てはまるような当たりさわりのない話題」がよいという。
大切なのは、そこから話題を深堀りすることだ。天気の話題を入り口にした場合で考えてみよう。
A「最近、急に雨が降ってきて困りますよね」
B「そうですね。先週末、出かける予定だったのですが、急に雨が降ってきて参りましたよ」
A「それは大変でしたね」
これではせっかくの雑談もただのムダ話で終わってしまう。しかし、雑談の上手い人は、次のように深堀りをして話を転がしていく。
A「最近、急に雨が降ってきて困りますよね」
B「そうですね。先週末、出かける予定だったのですが、急に雨が降ってきて参りましたよ」
A「それは大変でしたね。どちらに行く予定だったのですか?」
こうやって深掘りすることで、「天気」から「週末の予定」へと話題のテーマが移っている。このように、相手が引っかかる話題を探り、相手が乗ってきたら深掘りをする、というのが盛り上がる雑談の基本的な流れだ。
■相手の気分を盛り上げる聴き方
会話を上手に受ける聴き方ができれば、相手の気分は盛り上がり、話にも花が咲く。そんな雑談が盛り上がる聴き方のテクニックをいくつか紹介しよう。
まずは、リアクション。
やってしまいがちなのは「はいはい」「そうですね」といったリアクションだ。これでは相手に「本当に話を聞いているのか?」と思われかねない。
リアクションのコツは、相手の話に価値があるというリアクションを取ることだ。情感を込めて「さすがですね」「それはすごいですね」といった肯定の言葉でリアクションすると相手の気分は盛り上がる。