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「女性活用」推進の内実…低賃金&長時間労働で疲弊する若い女性たち

文=喜屋武良子/清談社
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 政府が進める「男性優位の雇用環境の改善」についても同様だ。厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」によると、16年の男性の平均月収は33万5200円。それに対して女性は24万4600円と、男女間には依然として賃金格差が存在する。

「男女が労働市場のなかで競争すると、経営側はより安く使える労働者を雇おうとします。それが全体の給料の下落圧力になって、労働力のデフレが起きる。その結果、企業の上層部だけが高待遇となり、従業員は男女ともに『低賃金』『長時間労働』で搾取されることになってしまったのです」(同)

フェミニズム的な「男女平等」にも落とし穴?

 加えて、問題をより複雑にしてしまっているのが「フェミニズム」だ。

 フェミニズムとは、女性の社会的・政治的・経済的な権利を男性と同じようにし、女性の能力や役割の発展を目指す主張のこと。19世紀にアメリカやイギリスで起きた男女平等の市民権を求める運動が始まりで、1960年代には中絶の合法化や社会的な男女平等を憲法レベルで求める運動に発展した。

 今のフェミニズムは、男女平等はもちろん、より多様性を求めるもので、第3期にあたる。インフルエンサーはIT業界の成功者やセレブたち。2016年のアメリカ大統領選挙でヒラリー・クリントン氏が訴えた「ガラスの天井」は有名だ。

 こうした多様性が求められる時代に、「男は外で働き、女は家事」などという古くさい価値観を持ち出すのはそぐわない。しかし、このフェミニズム的な男女平等にも落とし穴があるという。

「もちろん、機会の平等という考え方は絶対に必要です。ところが、『男女平等』をうたうフェミニズムの主張と、今の格差社会をつくり出した新自由主義者の考え方は、実はある意味で親和性が高いのです」(同)

 男女平等という名の下で女性が社会に出て男性と同じように働けば、それは安い労働力を確保したい企業にとっては願ってもないことであり、より過酷な競争社会を促進させることにつながる。

 会社を起業し、IT業界などで成功している女性は確かに輝いているが、それはごく一部にすぎない。実際には、そんな女性ばかりではないのが現実だ。

「フェミニズムは圧倒的に正しいですし、『男女平等』という言葉を持ち出されると反論の余地がありません。しかし、現実には『全員が競争社会に参加すること』を前提とした『男女平等』でみんなが幸せになれるとは限らない。それが、専業主婦希望の女性の増加という結果に表れているのでしょう」(同)

 1人あたりの賃金が上昇しない現在、「自分が輝くため」というよりも家計のために仕方なく低い時給で働かざるを得ない女性も多い。競争社会で搾取されるよりも、「家事に専念したい」と考える女性が増えるのは自然なことなのだ。

 果たして、女性は社会に出て働かなければ輝くことができないのだろうか。バリキャリと同様に専業主婦が輝く社会も、平等で多様といえるのではないだろうか。
(文=喜屋武良子/清談社)

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