お笑いコンビのカラテカ・矢部太郎さんの漫画デビュー作『大家さんと僕』(新潮社)が「第22 回 手塚治虫文化賞 短編賞」を受賞したことが話題となったが、その相方である入江慎也さんも、実はこれまで4冊のビジネス書を出版するなど、お笑い以外でも精力的に活動している。
入江さんといえば、「LINEの友だち登録5000件」「約1万人の人脈を持つ」など業界を問わず広い交友関係を持つ“人脈芸人”として知られている。そのため、今は企業からの講演依頼も殺到しているという。
3月に『入江式 のしあがる力(ちから。)』(ゴマブックス)を上梓した入江さんに、「社会でのしあがる力」「デキる社会人の心得」などについて聞いた。
自力で出版社を見つける営業スキル
――これまでにもビジネス書を出していますが、本書のコンセプトはなんですか。
入江慎也氏(以下、入江) たとえば6年前に『後輩力 凡人の僕が、友だち5000人になれた秘けつ』(アスコム)を書いた時期は、自分自身が後輩の立場で先輩と一緒にいることが多かったんです。でも、今は僕にもご飯をおごる後輩がたくさんできたということで、いわば中間管理職の目線で社会でのしあがる方法をまとめています。
――講演はどのくらいの頻度で行っているんですか。
入江 多いときには、月に12本くらいですね。
――芸人であることを考えると、異例の多さですね。
入江 本当にありがたいです。講演や取材の依頼も人脈を通じていただくことが多いですし、実は本書も、日頃お世話になっている社長さんに「本を出版したい」と相談したところ、ゴマブックスさんを紹介していただいたんです。吉本が企画をつくって出版社を探したんじゃないんですよ。これまでの著書も、ほとんど自分で出版社を見つけています。そういう経緯もあって、「やっぱり人脈って大事だな」と実感します。
年500回!社長やビジネスパーソンと会食の日々
――その人脈を築く上で、一番重要なポイントはなんでしょうか。
入江 やっぱり、人に会うこと。本書では「外見&内面を磨いて自分の可能性を広げる」「SNSを賢く利用してチャンスをつかむ」「信頼関係を構築して人脈を広げる」「気づき&気遣いの積み重ねが成功への第一歩」「会話力&先輩力を磨いて一歩先へ」という5章立てで“のしあがる工夫”をお伝えしていますが、どれも人に会わないことには実行できないものばかりです。
――確かにそうですね。本書を読んで驚いたのですが、入江さんは1年間で496回も社長や一般企業の方々をはじめ、友人や先輩後輩のみなさんと会食を重ねているとか。
入江 ひとりで食事をするのは、月に1、2回程度ですね。最近は誘われることが多いですが、会食によってまた新たな方をご紹介いただくこともあり、数珠つなぎのように人脈がつながっていきます。