良い大学に入れなかった。仕事がつまらない。思い描いていたキャリア、自分像とは違ってしまっている……。そんな悩みを持ったサラリーマンが、人生の逆転をするにはどうすればいいのだろうか。
『非学歴エリート』(飛鳥新社刊)は、20代で上場企業2社の役員、30代で有名コンサルティング会社のディレクターを務めている“非学歴エリート”の著者・安井元康氏が、人生逆転のための働き方・学び方を紹介した一冊だ。
安井氏自身も「良い大学」に入れなかった人の一人。そこでの挫折をきっかけに、「逆転したいなら自分にあった方法で努力しよう」という自分なりのやり方で、思い描いた通りのキャリアを歩んできたという。
では、逆転するためにどのような努力が必要なのか。見ていこう。
■チャンスをつかめる努力をする
「なりたい自分」をイメージして、大きな方向性を持っておくことは大事なことだが、それを狭く「あと何年後に○○という会社の○○という役職に就いて……」といったポジションまで限定してしまうのは現実的ではないと安井氏は述べる。
「人生にはどんなに努力してもいかんともしがたい要素が必ず出てくる」(p.53より引用)
これが安井氏の結論だ。だから、先のことはわからないと認め、あえて選択肢を広く考えておくこと。チャンスはどんなかたちで、いつくるかわからない。そして、チャンスをチャンスとして見据え、つかまなければいけない。
だからこそ、「チャンスをつかむための準備」として努力を続けることが必要なのだ。
■成功体験ばかり語るオジサンの言うことは聞くな!?
安井氏は大学時代、必死に勉強し、英語は帰国子女より話せるようになり、会計や財務の数値系のスキルも身につけていた。そのおかげで「ここがダメでもどこか行けるだろう」とベンチャー企業に就職を希望するときも楽観的に構えることができたという。
こうした土台があったからこそ、ベンチャー企業への就職という「チャンス」をつかむことができたのだ。
チャンスはいつ来るかわからない。だからこそ受け入れる準備をしっかりしておくことが大切だ。そのための努力はむやみにするものではなく、自分の目的のためにポイントを絞って努力をしておくことも必要である。
また、「他人の言うことを聞かない」ということも、目標を達成するためには大切なことであると安井氏は説く。よく「それじゃ人生うまくいかないよ」などとあれこれアドバイスしてくるオジサンもいるが、そういう人の話は聞かない方がいいという。
なぜなら、自分の成功体験がすべてになってしまっていて、その経験が相手にもあてはまるかどうか、にはまったく考えが及んでいないからだ。また、アドバイスしている人と自分とで、取り巻く環境や生きている時代が違うということもあるだろう。
もちろん、話を聞くなというわけではない。他人のアドバイスに「耳を傾ける」ことは大切。そのときのポイントは、「それは自分にとってどういう意味があるのか」を必ず考えること。
アドバイスをしている人が誰であり、どういう環境にいる人なのか、を考えるようにして、相手の経験と環境が自分とどのくらい重なるのかをチェックすることが重要だといえる。
どんなに優秀な人でも失敗はあるだろう。大切なのは失敗をどう定義するか、だ。諦めずに努力する人にとって失敗は、成功するまでのあいだの「軌道修正のきっかけ」に過ぎない。失敗した過去は変えられないから、そこからいかに学ぶかがその後の軌道修正につながるのである。
そこそこの大学を出て、中小企業で働き、見えている行き先はパッとしないか、先が見えないか。
人生を逆転させたい。エリートでもなく、どん底から一発逆転した人でもなく、普通の人のために書かれたのが本書だ。人生を逆転させるために必要な正しい努力の仕方とはどんなものなのか。本書から学んでみてはどうだろう。
(新刊JP編集部)
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。