「バンドマンはなぜモテるのか」「オタサーの姫がいる意味とは」「女はなぜ、血管が浮き出ている男の腕に男らしさを感じるのか」など、身の周りによくある色恋沙汰の問題は話題が尽きない。
そして、これらには実はカラクリがあった。そのカラクリを解き明かすのが、『ウソばっかり! 人間と遺伝子の本当の話』(ワニブックス刊)である。
本書では、一目惚れ、浮気、毒親、第一印象、体力、病気といった私たちの周りにある当たり前だと思っていたことを動物行動学研究家の竹内久美子氏が紹介する。
■「サークルクラッシャー」の目的とは?
「サークルクラッシャー」や「オタサーの姫」という言葉をご存知だろうか。
「サークルクラッシャー」とは、男性ばかりいるサークルに女性が1人だけ参加し、複数の男性と交際した挙句に、そのサークルの和を乱し、クラッシュさせてしまう存在のこと。
一方、「オタサーの姫」は、オタク系の男性サークルに女性が1人だけ参加し、「姫」としてちやほやされる存在のことだ。
この2つの存在は、女性としての魅力が普通か普通以下でも、紅一点であるため、信じられないくらいにモテるし、手玉にとることが可能である。
この「サークルクラッシャー」だが、サークルを破壊することが主たる目的ではないのではないか、と竹内氏は考える。
では、どんな目的があるのだろうか。通常の恋愛市場ではモテる部類ではない女性が、男性に囲まれ、大いにモテて、複数の男性と関係を持つ。その結果、それらの男性のうちの最も優れた遺伝子の持ち主との間に将来、子をなすという可能性を追求するという目的があるのではないか、と述べている。
■バンドマンがモテるのはなぜ?
また、女性が付き合うと痛い目にあうと言われているのが、「バンドマン」「美容師」「バーテンダー」の「3B」だ。
運よく音楽の世界で成功するバンドもあるが、売れない可能性の方が断然高い。それでも、バンドマンに惹かれてしまうものだ。なぜ売れなくてもバンドマンはモテるのだろうか。
それは、将来芽が出るかどうかは、生来兼ね備えている男性の魅力とは別問題だからだ。特に音楽の才能やルックスなどはその男性の免疫力や生殖能力の高さの証しといえる。女性にとって最も手に入れたい能力であり、遺伝的性質なのだ。よって、売れていてもいなくても、バンドマンはモテるということになる。
人間の行動の理由を知ると、自分自身の行動を客観視できるようになるという。科学的に、遺伝子的に、なぜそうなってしまうのか。これを知るだけでも、人間に対する見方が変わるはずだ。
(新刊JP編集部)
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。