「虹をつくろう」
●必要なもの
・浅いトレー(料理用の受け皿など)
・水
・小さい鏡
・白い紙
●実験の手順
1.日のあたる場所にトレーをおき、半分くらいまで水を入れる。
2.鏡の下半分が水につかるように、トレーのはしに立てかける。
3.水中の鏡に太陽の光があたるように、トレーの位置をととのえる。
4.鏡にあたった日光がはね返る位置で白い紙を持つ。
5.紙の向きや高さを少しずつ変えて、虹がよく見えるようにする。
光は、遮るものがなければまっすぐに進むが、水に向かって斜めに光が入ると屈折する。これは密度が違う二つの物質の間を進むときに見られる現象で、虹が見えるのは、この光の屈折が原因だ。蜃気楼なども光の屈折によって見られる。また、日常的なところではお風呂に入ったときに指の長さが違って見えるのも光の屈折が原因だ。
こうした身近な「科学」から、子どもの興味を喚起させるのもいいかもしれない。
■社会を変える「バイオテクノロジー」の世界
科学は、目の前でその現象を見せれば、子どもの好奇心を刺激する。その単純な好奇心は、学ぶこと、ひいては働くことの基盤にもなる大切な感覚だ。
だが、その一方で、科学にはアンビバレンツな側面もある。その一例が、食品、医療などの分野で研究が進む「バイオテクノロジー」の世界だ。
例えば、遺伝子組み換えバクテリアは、植物のゴミに加えることで燃料やお酒用のエタノールをつくることが可能だ。また、医療の分野では様々な種類の細胞に変化することができる「幹細胞」のクローンをつくって、必要な細胞を生み出す研究も行なわれている。
この分野は将来、社会的に大きなインパクトをもたらす可能性の宝庫だ。しかし、同時に倫理的な問題や自然界に与える影響について懸念する声もある。
こうした広い視野を子どもにどのように持たせていくか。これは、親や大人たちが考え、なすべき仕事なのかもしれない。その意味では、本シリーズは子どもだけでなく、大人にも「STEM」の入門書として使える絵本だ。
本シリーズの「Science(科学)」「Technology(技術)」「Engineering(工学)」「Mathematics(数学)」の中から、自分の子どもが興味を持ちそうな領域からシリーズを通して読んでいくと面白いかもしれない。また、夏休みに本書で紹介されている「実験」を親子で一緒に楽しむのもよさそうだ。
(新刊JP編集部)
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。