—経理部がさまざまなプロジェクトに参画したり株主総会の準備にも対応するというのは、上場企業では珍しいことではないでしょうか?
波多野 大きな会社ですと、経理部は“経理のお仕事”だけですので、そういう意味では珍しいと思います。私が監査法人にいた時に、いろいろな会社を見てきましたが、当社のようなところはあまりなかったですね。
–経理の仕事には、どういうところにやりがいや充実感を感じますか?
波多野 経理は決算書などの各種財務資料をつくることがメインになりますが、そうした中で正確さとスピードが大事だと思います。特に、正確さがないと経理は成り立たないので、そこをしっかり担保していくことにが必要になります。また、決算短信などさまざまな開示資料を作成する上で、期限までチェックの繰り返しで夜中になったりするわけですが、それをやりきって開示された時というのは、達成感を感じます。
また、当社の場合、経理が他部署とコミュニケーションを取ることも多く、そうしたことを楽しめる人でないと難しいかもしれません。実際、会社全体の状況を把握して数字をつくらないといけないわけですが、そういうところは個人的に好きですね。
●上場準備という貴重な経験
–特に印象に残っているお仕事は、なんでしょうか?
波多野 2つありまして、1つ目は、昨年3月にマザーズに上場したのですが、上場に向けた準備のお手伝いをしたことで、とても貴重な経験をしました。具体的には、上場に必要な目論見書などの資料作成や、上場会社として適切な組織体制の規定類の改訂、J-SOX(企業の内部統制報告制度)への対応などを行いました。上場直前は結構ハードでしたね。
2つ目は、上場後に初めて株主総会を行いましたが、その事務局として、招集通知や想定問答の作成、当日の会場運営全般にかかわる細かな準備をしたことです。3人でチームを組んだのですが、上場が3月、総会が6月で準備期間がほとんどなく、不安が大きかったのですが、なんとか無事に終えられました。総会前には、他社さんで上場後に初めて総会を開いた会社を訪問して、「何が大変だったか」などをヒアリングしました。
上場や株主総会の運営に携われるという経験は、なかなかできるものではなく、本当に貴重な経験をさせてもらえたと思います。
–ライフネット生命は現在急成長を遂げているわけですが、その強さはなんだと思いますか?
波多野 前向きな社員が多いことでしょうか。それは、成長のためには必要なことだと思います。
–組織活性化や社員のモチベーション向上などのために、何か貴社独自の取り組みなどはありますでしょうか?