大学進学、就職、転職、結婚。人生には、その後を左右する選択をしなければいけない場面がある。また、大きな選択だけでない。どの服を着て行こうか、ランチは何を食べようか、と日々選択の連続だ。では、いくつかの選択肢の中からどれを選ぶか。そのときに大切なのが「決断力」だ。
『サバイバル決断力』(印南一路著、NHK出版刊)では、膨大な情報や選択肢のジャングルの中で、意思決定の力を武器として人生を切り拓いていくための「型」を紹介する。
さんざん迷った末に間違った決断をしてしまうことはある。どうすればその数を減らすことができるのだろうか。本書によれば、間違った決断が起きる典型ケースがあるという。
たとえば、選択肢の数が多すぎて何をしていいかわからないというときがある。こういうときは絞り込みが必要だ。こうした、選択肢があらかじめわかっている場合、絞り込むという選択方法を「決定方略」という。
さて、絞り込みの際、考えるべきことは、どうしたらリスクの少ない足切りができるかである。その、足切りの仕方がわからないと迷ってしまう。その足切りの方法は、まずスタンダードを決めておいて、それを基本スタイルにしてしまえば、早く決められる。つまり、ルーティン化しておけば、選択肢が多くても迷わずに済むのだ。
では、どうすればいいのか。まず「スタンダード」を決めておくこと。それを基本スタイルにしてしまえば、決断は早くなると著者は言う。つまり、自分自身の軸、定番を決めておくことでそれが基準となり決定が早くなる。
比較検討するときは慎重にできる数まで選択肢を足切りすることが大切だ。
また、長い目で見てどうなるか考えられないという理由で意思決定ができない場合もある。長期予想は誰であっても、どの分野であっても難しいもの。だから、バックアッププランを用意しておくことが重要だと著者は述べる。つまり、Aプランが失敗したときにすぐ乗り換えられるように、Bプランをつくっておくことだ。
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いくつかの選択肢の中から選ぶということは、どこかで必ずリスクを取らなければならない場面が出てくる。計算したうえで一定のリスクを取る意思決定こそが決断といえる、と著者の印南一路氏は述べる。
優柔不断だと自覚している人は、本書を読んで決断力を磨いてみてはどうだろう。
(新刊JP編集部)
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。