2021年に活躍した女子アナを民放キー局ごとにベスト5のランキングで紹介するこの企画。最後となる第5回目は、フジテレビ編をお届けする。果たしてどんな顔ぶれとなるのか。
まず第5位は、入社9年目の内田嶺衣奈アナ(32)である。現在は『FNN Live News α』の金曜メインキャスターと週末版の『FNN Live News イット!』のメインキャスターを担当しているが、『News イット!』のほうは6月末まで生野陽子アナ(37)がメインを務めていた。だが、産休のため降板し、同番組でスポーツを担当していた内田アナがメインへと昇格、『News α』での実績も買われた形となった。まさにフジの週末のニュースの顔というワケだが、あの印象的な優しい語り口や癒し系の笑顔は、週の終わりに相応しいといえる。
さらには『フィギュアスケート中継』、BSフジ『お台場バドミントン学園』といったスポーツ番組も担当。報道以外の顔もみせてくれている。特に『フィギュアスケート中継』での丁寧なリポートや選手に寄り添ったインタビューが印象的。2021年9月には同局情報制作局の先輩社員と結婚。22年のさらなる飛躍につなげたいところだ。
続く第4位は三田友梨佳アナ(34)である。『FNN Live News α』の月〜木メインキャスターと『Mr.サンデー』3代目アシスタントキャスターを務めているが、ともに19年の4月から担当しているから、もう4年近くフジテレビ夜の報道番組の“顔”として君臨していることになる。特に前者は、夜といってもほぼ深夜に近い放送時間なので、三田アナの落ち着いた雰囲気がマッチしている。安定した進行ぶり、耳に心地よい原稿読みも、もはや鉄板である。
ニュースだからといって決してガチガチしているワケでもなく、緊張感なく自然体で必要なことを伝えてくれる。自分の意見を述べるときもしっかり丁寧だし、配慮の深さも感じられる点も見逃せない。言うなれば、フジの夜のニュース番組は先の内田アナとこの三田アナで当分、安泰である。この2人を追う後輩アナが見当たらないのが現状で、三田&内田コンビの活躍はまだまだ続くことだろう。
フジテレビ、2021年に活躍した女子アナのベスト3は?
ここからいよいよベスト3である。第3位は永島優美アナ(30)だ。21年春に5年間女性メインキャスターを務めた『めざましテレビ』を卒業して新番組の『めざまし8』の女性総合司会に就任。長寿番組だった『情報プレゼンター とくダネ!』の後番組ということもあってプレッシャーもあっただろうが、コンビを組む俳優の谷原章介(49)とは軽妙な掛け合いを随所で披露し、息もピッタリである。
品がありながら気さくで気取らない雰囲気とその人柄の良さが画面から伝わってくる。安定したアナウンス力の持ち主だから、朝から気持ち良く番組が観られるのもポイント。程よくひょうきんなところも可愛らしい。
ちなみに、このひょうきんな面がよりパワーアップしているのが、進行を担当する『ジャンクSPORTS』だ。メインMCの浜田雅功(ダウンタウン)に対してお茶目にボケて、しっかりと突っ込まれること多々。こちらは18年1月からのコンビなので5年目に突入しているが、安定しつつ、面白いところが特徴となっている。
それでも、主戦場は『めざまし8』ということになる。平日朝の情報番組戦争が繰り広げられるなか、視聴率的には一歩遅れているが、“現フジのエース”としてこのまま引き下がるワケにはいかないだろう。巻き返しの原動力としての期待がかかっている。
続いて第2位は、18年入社の井上清華アナ(26)である。なんといっても先の永島アナから『めざましテレビ』の女性総合司会の座を引き継いだのが大きかった。永島アナの後任をキャスティングするなら候補はほかにもいたはずだが、井上アナ抜擢の決め手をここで考えてみたい。
まずその魅力のひとつに、弾けそうなほどの明るい笑顔と抜群の透明感が挙げられる。いつも自然体で、ニュース読みも抜群の安定感があり、インタビュアーをさせても相手が話しやすくなる空気をつくるのが上手い。さらに、クラシックバレエを続けていたこともあってスタイルも抜群。手足が長くて小顔なので、スラッとして見える点もポイントが高い。
清楚で穏やかで可愛らしい見た目をしているが、性格が“勝ち気”なところも買いだろう。一緒に司会を務める三宅正治アナ(59)とは親子ほども年が離れているが、生放送中でも物怖じしないのが印象的だ。よく“めざましファミリー”といわれるが、まさに“ファミリー”の雰囲気である。
この『めざましテレビ』の司会に抜擢された女子アナは、初代の八木亜希子アナ(56)や“アヤパン”こと高島彩アナ(42)など、そうそうたる顔ぶれが並んでいる。そういう意味で井上アナは完全に“次期・フジのエース”の流れに乗ったといえる。これからますますの活躍に期待大である。
フジテレビを代表するスポーツアナウンサーとなった宮司愛海アナ
さて、いよいよ注目の第1位だ。宮司愛海アナ(30)である。宮司アナといえば『潜在能力テスト』の進行役に『S-PARK』のメインキャスターを担当しているが、やはり大きいのは後者だろう。
番組スタートが18年4月だから約5年たつが、その間には不定期放送のスポーツドキュメント『村上信五∞情熱の鼓動』の進行役も務めており、今やフジを代表する女性スポーツアナウンサーとして君臨しているからだ。
そんな宮司アナに、もうひとつ勲章ができた。それが東京2020オリンピック・パラリンピックのメインキャスターを担当したことである。18年の冬季平昌オリンピックでも現地取材を経験しているが、やはりオリンピック中継のメインキャスターは別格だ。
コンビを組んだ関ジャニ∞・村上信五(39)との呼吸も、長年連れ添った夫婦のようにピッタリだったが、特に卓球の新種目となった混合ダブルスで水谷準(32)と伊藤美誠(21)組が金メダルを獲得した瞬間は見逃せなかった。会場で現地リポートをしていたのだが、感極まった宮司アナは「感動で、手が震えています」とコメント。日本卓球界史上初となる偉業と歓喜を、感じたままの言葉で伝えた姿は実に印象深かった。
ショートボブの髪型がよく似合い、それがトレードマークとなっており、ハツラツ&活発な印象を与えるが、その仕切りぶりも実にテキパキしている。話題を変えるときや次に移るときのタイミングが非常に的確なので、観ていて気持ちいい。
当然のように、来月4日に開幕する冬季北京オリンピックのメインキャスターも務める。先ほど「フジを代表する」と表現したが、もはやNHKを含む全放送局を代表する女性スポーツアナウンサーといっても過言ではないだろう。
22年、いきなりの大仕事を任された宮司アナがどのような活躍ぶりをみせてくれるのか、今から期待が高まるばかりである。
ベスト5は以上のような顔ぶれとなった。気になるのは5人中、4人が30オーバーである点だ。入社2年目から29歳までの若手・やや中堅クラスの人材が井上アナしか入っていないのである。裏を返せば、上の世代が強いということの表れなのだが、フジの将来を担う若手が1、2人ランクインしてほしかった。
あえて期待株を挙げるなら、佐久間みなみアナ(24)・渡邊渚アナ(24)の入社2年目コンビと、新人で元女流棋士の竹俣紅アナ(23)だろうか。この3人のうち、誰か1人だけでも活躍してくれないと、フジテレビの将来が危うくなる。