ちょっと時間があるならば外に出て気ままに一人旅なんかをしてみてはどうだろう。一人旅の醍醐味は、自分の好きなタイミングで行きたいところに行け、やりたいことをできること。自分だけの時間を過ごすのにうってつけだ。
そんな一人旅の楽しみ方、工夫の仕方を教えてくれる一冊が『泣かない一人旅』(吉田友和著、ワニブックス刊)だ。本書は、旅行作家の著者が、予定の組み方、最小限の予算で効率的に旅するコツ、具体例を交えながらのおもしろそうな旅先の選び方を紹介している。
一人旅と聞くと、「寂しい」と思うかもしれない。そこは、「一人旅は気楽でいい」と発想を転換してみよう。実際にやってみると、寂しさよりも開放感の方が遥かに大きい。
また、寂しさを感じるのは、一人旅を「孤独」なものと認識しているから。孤独という言葉には少なからず哀愁が漂う。そこを「単独」という言葉に置き換えてみると、途端に雰囲気が変わってくる。
登山の世界では「単独行」と言ったり、どちらかといえばポジティブな意味合いで使われる。あるいは「ソロ」と横文字にしてみるのもアリだ。
■SNSを封印してみよう
行った先をSNSにアップするというのは、今どきの旅行の仕方。しかし、一人旅はあえてSNSを封印してみるのもいいだろう。
SNSにハマりすぎると、旅の中心がSNSになってしまう。訪れる場所や食べるものなども、映えるかどうかで選んでしまうと、気楽な一人旅なはずなのに本末転倒となると著者。吉田氏自身も以前はSNSをフル活用していたが、あるとき、向かうべきは目の前に広がるリアルの風景であり、スマホの画面ではないと気づいたという。
■食の楽しみ方は現地の人に聞け!
また、本書では一人旅初心者のために、旅の現場で役立つ知恵袋も紹介している。
まず、旅の計画を事前にどこまで立てるべきか。吉田氏は、結構いい加減な性格なので、ほとんど何も決めないまま出発当日の朝を迎えるという。事前に計画をしても予定通りにいくとは限らない。最低限、現場までの移動手段と宿泊場所さえ決まっていれば、あとはなんとでもなる。そのときの状況や自分の気分に合わせて臨機応変に旅を組み立てればいいのだ。
また、食は旅の楽しみの一つだが、例えばグーグルマップで食べたい料理のキーワードを入れるほか、リアルで情報収集するのも有効だ。手っ取り早いのが、タクシーの運転手さんや宿泊するホテルのスタッフなどに聞いてみるというもの。その街で評判のいい店は、地元の人に教えてもらうのが確実だ。
思い立ったら、誰と予定を合わせることもなく、フラッと行けるのも一人旅のいいところだ。一人旅に興味があるけれど、なかなか勇気が出ないという人は、本書を参考に一人旅に出かけてみてはどうだろう。
(新刊JP編集部)
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。