言葉の使い方一つで印象は変わる。
語彙力を培い、ちょっと気の利いた言葉を文章に織り交ぜることで、相手が抱く印象がポジティブになったりする。その一方で、間違えた敬語をそのまま使い続けていると、悪印象を与えてしまうこともある。
『たった一言で印象が変わる大人の日本語100』(吉田裕子著、筑摩書房刊)は、仕事の現場でもプライベートの場面でも使える、「おっ!?」と思わせる実用的な言い回しを教えてくれる一冊だ。
■「御社」「貴社」、「当社」「小社」「弊社」…どう使い分ける?
本書には、特に新社会人が覚えておきたい日本語が満載。
その一つが「敬語」の使い方だ。敬語を上手く使えれば、言葉で恥をかくケースは一気に減る。では、どのような敬語の使い方をすべきなのだろうか?
●二重敬語は原則として使わない。
例えば「お話しになられましたか?」は二重敬語にあたる。「お~になる」「~れる」と尊敬語が2つ重なっており、過剰な表現になってしまうのだ。この場合、「お話しになりましたか?」「話されましたか?」といった具合に、どちらかにしぼることが必要だ。
●「御社」と「貴社」はどう使い分ける?
どちらの相手の会社のことを敬う表現だが、一般的には書類では「貴社」、口頭では「御社」を使う。「貴社」(キシャ)という読み方は、帰社、記者、喜捨など同音異義語が多いため、紛らわしくなってしまうのだ。
●「小社」と「弊社」の違いは?
一方、自分の会社について、ニュートラルに言うときは「当社」だが、取引先や顧客に対してへりくだって自社にいう時には「弊社」を使う。これは口頭でも文面でも使われるが、改まった書面では「小社」という表現が使われると著者の吉田氏は述べる。
新入社員や若手ビジネスマンは、今のうちから大人の日本語、言葉遣いを身につけることで、仕事でのコミュニケーションも円滑に進むはずだ。
言葉を知らなくて、損をする。そんなことにならないためにも、正しい日本語、大人の日本語を本書から学んでみてはどうだろう。
(新刊JP編集部)
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。