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「賢い判断」をするために知っておきたい意思決定の仕組み

新刊JP
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※画像はイメージ(新刊JPより)。

 私たちは日々さまざまな判断をしている。

 できる限り間違った判断を避け、賢い判断、正しい選択をしたいものだが、どうすればそれができるようになるだろうか。

 そこで重要なのが、思考や判断のセンスを磨いていくつかの選択肢から決めること。つまり「意思決定」だ。

 『今さらだけど、ちゃんと知っておきたい「意思決定」』(同文館出版刊)は、防衛大学で20年以上、自衛隊のリーダー候補たちに経営学を教えてきた防衛大学校公共政策学科准教授の佐藤耕紀氏が、「意思決定」のコンセプトやセオリーについて、身近な具体例を交えてわかりやすく解説した一冊。

 知覚の仕組みから行動経済学や進化心理学、記憶や確率・統計の錯覚など、思考や判断のセンスを磨き、正しい選択を重ねるための考え方を紹介している。

「ランチ何を食べよう」という意思決定をする際に起きていること

 では、ここで一つ問いを投げてみよう。私たちが日常の何気ない行動をどのように決めているのか、考えたことがあるだろうか。

 たとえば、ランチをどのお店のどんなメニューにするか考える場合。

 行動経済学の基礎をつくったサイモンは合理的な意思決定のステップとして、

(1)「すべての選択肢を列挙する」
(2)「選択肢がもたらす結果を推測する」
(3)「結果を比較・評価する」

 という3つを挙げている。

 しかし、自宅や職場から近いお店はたくさんあるし、それぞれのお店にも多くのメニューがある。「すべての選択肢の列挙」していたら、昼休みが終わってしまうだろう。

 では、実際はどうなのか。

 「ランチはどこにしようか」と考えると、脳裏にいくつかの候補が浮かんでくる。そして、最初に思い浮かんだお店がいまいちだと思えば却下し、次々と思いつく順に検討する。そして、「今日はそこにしよう」と思えるお店が見つかれば、そこに決める。これ以上は考えずに、探索を打ち切る。

 サイモンはこのような決め方を「満足基準」と呼ぶ。

 このように、思いつきや行き当たりばったりで物事を決めるケースは少なくない。

 重要なことであれば、時間をかけて合理的に考えたほうがよいが、ちょっとしたことを決める場合は「遅い思考」は実用的ではなく、スピードと正確さのバランスを重視する「速い思考」が総合的に優れていることが多い。

 この「速い思考」で問題を解く手法を「ヒューリスティクス」という。これは素早く大まかな答えを出す経験則ともいえる。状況に応じて「ヒューリスティクス」で決めたほうがいいこともあるのだ。

 ◇

 日常の些細なことから重要な決断の場面まで、人生は意思決定の連続だ。どうすれば自分にとっていい選択をできるようになるのか。本書の意思決定の知識を活用してみてはどうだろう。(T・N/新刊JP編集部)
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。

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