相手の話を聞き終えたときに、「この人の話、なんだか浅かったな…」と思った経験はないだろうか。一方で自分自身が話し手のときに、相手に「浅い」という印象を与えている場合もあるかもしれない。では、どうしたら「浅い」と思われない「深い」話ができるようになるのか。
「あの人の話、浅いよね」と言われないために知るべきこと
『いつも「話が浅い」人、となぜか「話が深い」人 「あの人は深い」と言われる話し方』(齋藤孝著、詩想社刊)では、明治大学文学部教授の齋藤孝氏が、「浅い話」の問題点を解き明かし、「深さ」「浅さ」とはいかなるものなのかを具体的に示し、聞き手の心を動かす「深い話」をするための能力とはどのようなもので、それをどう伸ばしていけばいいのかを解説する。
「浅い話」というのは、「結局、なんにも意味がなかったなあ」と感じ、聞いている側がまったく変化を起こさない、化学反応を起こさない話のこと。一方、「深い話」は、聞き手側の心の部分、感情部分を揺り動かしたり、これまでもっていた考え方を突き動かしたりするもの。
では、聞き手側に変化を促す「深い話」をするためにはどうしたらいいのか。そのためには大きく分けて3つの能力が必要となる。
1.展開力
情報力、知識力とも言い換えられる。薄っぺらな話に終わらないだけの情報量と知識量が必要になる。それを自分なりに入手して、話を推進しいていく展開力を身につけないと、深い話を構築できない。
2.本質把握力
上っ面をなぞっているだけの話では結局、相手の心に何も残らない。核心の部分、本質をつかみ、それを提示する能力があると、話は深くなる。
3.具体化力
提案力とも言い換えられる。話が抽象的なものに終始してしまうと、聞き手の心までは動かせない。具体化したり、エピソードとして話にいい加えることで、深い話となっていく。これらの3つの能力を伸ばすことで、深い話ができるようになるのだ。
また、話が深い人は「具体的かつ本質的に言うと…」というフレーズをよく使うという。「本質」と「具体的」というワードが話のなかに入ることで、目に見えている部分である具体性だけに終始するのではなく、その背後の部分である本質も同時に示すことができ、話の奥行きを強調することができる。その奥行きが、聞き手には話の深さとして伝わるのだ。
深い話を話せる能力は、仕事でもプライペートでも役に立つ。本書を参考に、相手の心を揺り動かすような話し方を身につけてはどうだろう。(T・N/新刊JP編集部)
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。