資産形成のための投資の必要性が説かれるようになって久しい。「老後は年金で悠々自適」が事実上不可能となり、所得も上がりにくくなっている日本では、将来必要なお金は自分で確保しなければならない。それは一般的な収入の人も、いわゆる「高所得者層」も変わらない。
年収3000万円以上でも貯蓄がない医師
『収益と節税力を最大化 医師の不動産投資超入門』(森田潤著、パノラボ刊)は、高所得者の代表的な存在である医師に向けて、不動産投資の知識を授ける一冊。厚生労働省の「令和3年賃金構造基本統計調査」によると、医師の平均年収は1378万円と、あらゆる職業の中でトップ。それだけ年収が多ければ投資の必要はないのでは?とも思えるが、高所得者には高所得者のお金の悩みがある。
税金は高額だし、子息を自分と同様医師にすべく医学部に進学させるなら場合によっては数千万円単位のお金がかかる。そして稼げば稼ぐほど出ていくお金も増えるもの。思うように資産形成ができない医師は決して少なくないし、なかには年収3000万円以上あっても貯蓄がほとんどない医師もいる。
医師こそ不動産投資が最適な理由
本書では不動産投資こそ医師に最適な投資手法だとしている。というのも、安定的な収益をあげながらも、高所得者の最大の悩みである「税負担」を軽減できる可能性があるからである。
年収1000万円以上の高所得者にかかる所得税、住民税等の額は年間数百万円に及ぶ。だからこそふるさと納税や各種所得控除を活用するケースが多いが、不動産投資はこうした節税対策の中でももっとも効果的だといえる。中古ワンルームマンション等、投資用不動産を購入し、減価償却費用などの経費を計上し、不動産所得と給与所得を損益通算することで、所得税の大幅な減税につなげることができる。
多忙ななかで節税のための取り組みをするのがわずらわしいという医師もいるはずだが、不動産投資は基本的に専門家に丸投げすることができる。手間がほとんどかからないのも、医師にとって大きなメリットだろう。
また、医師は健康である限り働き続けることが可能なため失業リスクが低く、長期にわたって安定して高収入を得られるとみられている。そのため金融機関からの信頼が厚く、投資に必要な融資を好条件で受けやすいのも医師の強みだ。
本書では実際に不動産投資を行っている医師が受けた融資の実例が紹介されている。年収2500万円の開業医がフルローンで金利1.4%、融資期間20年という好条件で融資を受けた。購入した物件は融資が出にくいとされている築古木造物件。この事例は金融機関への医師の信頼と評価の高さを示している。
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手間がかからず、節税効果があり、好条件で融資を受けられる。医師にとって不動産投資は仕事に影響せずに資産形成ができる最善の一手の一つだといえる。ただし、不動産投資に成功するには、知っておくべき知識がある。
どんな立地のどんな物件を買うか。どのように利回りを高め、投資効率を改善するか。本書ではそれらのポイントも解説されており、これから不動産投資をする人の最良のガイドブックとなってくれるはずだ。(新刊JP編集部)
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。