コミュニケーションの中での質問で相手のやる気を引き出すことが可能だ。部下が思った通りの結果が出せなかったとき、「なんでできないの?」と問い詰める上司よりも、「何があったの?」と質問する上司のほうが、部下は心を開き、改善点が明確になり、モチベーションも上がるだろう。
経営学者のピーター・F・ドラッカーは「重要なことは、正しい答えを見つけることではない。正しい問いを探すことである」と言っている。一流の人ほど、最高の質問力を身につけているのだ。そこで『質問の一流、二流、三流』(桐生稔著、明日香出版社刊)では、一流の質問力を最速で身につける方法を紹介している。
ほめるときは相手の「内面」をしっかり見て質問をする
ほめられれば誰でも嬉しくなり、モチベーションも上がる。そして実は、ほめるときにも質問力が必要となる。相手をほめる際、三流はほめることができず、二流は外見をほめる質問をする。そして、一流は内面をほめるような質問をする。
相手をほめるとき、外見にフォーカスするのは普通のこと。なぜなら、情報として一番入手しやすいからだ。ただ、ほめられる側としては、自分のことをわかってくれていると嬉しく感じるため、外見だけでなく内面もほめる必要がある。ここで大切なことは、相手が普段から心がけている考えや心構えに興味を持つことだ。相手を知ろうとする姿勢にほめられる側は嬉しさを感じるという。
叱るときはまず相手を「肯定」しよう
一方で、叱る場合はどうか。三流は相手を否定し、二流は否定してから質問する。一流は肯定してから質問する。叱るときに重要なことは、まずは肯定することで心理的な安全性を確保することだ。叱るとは、相手の非をとがめて厳しく注意すること。相手にとっては攻撃されると感じるので、叱られるのは避けたいことだろう。
そのため、避けたいことを受け入れてもらうには、心理的な安全性を確保する必要がある。人は否定されると心を閉ざすので、その逆の肯定することをすればいい。「質問+肯定」で伝えると、相手の警戒心が解かれ、本音を話してくれるかもしれない。
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コミュニケーションスキルを上げたいと考えている人は、まず一流の質問力を身につけてみてはどうだろう。相手のモチベーションを上げたり、円滑に人間関係を築くことができるはずだ。(T・N/新刊JP編集部)
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。