説明しているうちに、要点を上手に伝えることができずに話が長くなってしまったり、最終的に自分でも何を言っているのかわからなくなってしまった経験はないだろうか。 だれかに何かを伝えるのは根本的に難しい。苦戦してしまうのは、努力や才能が足りないのではなく、説明がうまくなる方法論をまだ知らないだけだ。
『説明の一流、二流、三流』(桐生稔著、明日香出版社刊)では、「三流はこうする、二流はこうする、一流はどうする?」というように順を追って一流の説明がマスターできるよう具体的な回答を提示している。
三流はそのまま話し、二流はモレなく、ダブりなく話すが…
説明は相手に伝わらなければ意味がない。伝えるには話の整理をしなければならない。しかし、三流は、思いついたまま話すから話に整理がつかない。一方、二流は、モレなく、ダブりなく話すことができる。しかし、「モレなく、ダブりなく整理できていること」と「モレなく、ダブりなく説明すること」はまったく違う。
大事なのは、モレなく、ダブりなく整理したあとに、「大胆に削る」こと。大胆に削るからこそ、聞き手に届き、記憶として残る。そして、「これだけは意地でも伝える」という強烈なワンメッセージを用意する。一流は、大胆に削り、真芯にフォーカスして話すことができるのだ。
メールでの説明、一流はどんな風に書く?
口頭で説明することと同様に、メールの文書で説明する場面もある。 三流が送るメールは、ただの文章で説明する。二流になると、ただの箇条書きで説明する。 そして一流は、読ませる箇条書きで説明する。読ませる箇条書きというのは、全体像が秒速で把握でき、知りたいことが目に飛び込んでくるのが特徴だ。
箇条書きをわかりやすくするには、3つのポイントがある。
1.グルーピングすること
現状の問題、対応策、今後の流れ、のようにグループ分けされていると、見やすく、気になるところをすぐに確認できる。
2.1行の文字を30文字程度にすること
近年のニュースメディアのタイトルは、30文字前後が主流となっている。一瞬で理解できる文字レベルが30字程度。
3.箇条書きは3つ程度にすること
せっかくグルーピングしてあっても、10も20も箇条書きがあったら相手は読む気を失ってしまう。
説明が苦手な人は、一流の人が実践している説明のやり方を真似してみるところから始めてみてはどうだろう。本書では、一流が極めている45のメソッドを紹介している。今必要なもの、できるメソッドから、一つずつ実践していけば、一流の説明が身につくはずだ。(T・N/新刊JP編集部)
※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。