うまく運用すれば、働かずにお金が増える「投資」は、地道に働く勤め人からすると夢のある世界ですが、元本割れして資産を失うリスクを考えると怖くてなかなか手を出せない人が多いはずです。
まして「海外投資」というと、ハイリスク・ハイリターンの、ほとんどギャンブルのようなイメージを持たれがち。しかし、先入観だけで決めつけるのはあまりにもったいない! やり方と知識さえ身につければ、リスクを抑えつつ、ハイリターンとはいかずとも「ミドルリターン」くらいは望めるのが「海外投資」なのです。
『厳選10本のお宝ファンドを紹介! 初めての海外投資でしっかり儲ける本』(森智紀/著、日本実業出版社/刊)は、そんな海外投資の入門書。
そのノウハウが明かされているとともに、海外投資にまつわる誤解や疑問にも答えてくれます。
■海外投資はハイリスク・ハイリターン?
本書で取り上げられている「海外投資」とは、海外のファンドに投資して、そのファンドに運用してもらうというもの。
だから、ファンド側が扱う商品によってはもちろんハイリスクなものもあればローリスクなものもあります。きちんと銘柄を選ぶことさえできればリスク回避は可能ですし、元本保護型のファンドもあります。
「海外投資=ハイリスク・ハイリターン」というのは誤解です。
■株式投資の方が手っ取り早く儲かる?
海外ファンドは投資家から集めたお金を分散して投資するので、一点集中で株に投資したほうが手っ取り早く儲かる可能性があるのは事実です。しかし、いうまでもなく一点張りの投資はハイリスクですし、短期間で儲けたいという発想はそもそもギャンブルの考え方です。
海外ファンドの最大のメリットは、海外には中長期的にみると右肩上がりに伸びていく商品がたくさんあり、それらに投資することができること。長い目で見て着実に資産を増やしたいならこちらの方がいいのかもしれません。
■わざわざ海外を拠点にせず、日本から海外ファンドに投資すればいいのでは?
本書では、香港やシンガポールを拠点に、現地の銀行や証券会社を通して海外ファンドに投資をする方法が紹介されています。ただ、日本の金融機関でも海外ファンドを買うことができるため、「なぜわざわざ海外を拠点にするの?」という疑問を持つ人もいるはずです。
本書によると、日本の金融機関が扱っている海外ファンドは種類が少なく、運用実績が特に優れているわけでもないそう。また販売報酬や販売管理報酬といったコストも上乗せされるので、利用するメリットはかなり薄いようです。
かつて、海外ファンドへの投資といえば、多額の資産を持つお金持ちだけのものでしたが、今は小規模の投資も受け付けられやすくなるなど、「普通の人」も参加しやすくなっています。