2013年、80歳でエベレスト登頂に成功した登山家の三浦雄一郎さんや、同年に75歳で芥川賞を受賞した作家の黒田夏子さんなど、最近のお年寄りはどんどんパワーアップして、エネルギッシュになっている感があります。
『五十、六十、花なら蕾 七十、八十、花盛り』(扶桑社/刊)の著者、嘉納愛子さんもその一人。1907年生まれ、御年107歳になる嘉納さんは、今でも現役の声楽家として多くの生徒を指導しています(師匠はなんと作曲家の山田耕筰なのだとか…)。
「七十、八十、花盛り」とは、もはや想像を絶する世界ですが、どうしてそんなに元気なのでしょうか。あるテレビ番組で「体内年齢31歳」と測定された驚異の若さの秘密に迫ります。
■歌いたい、弾きたい…尽きない好奇心が若さの源
「100歳をひと区切りとすれば、107歳になる今年は小学校に上がる年」と語る嘉納さんは、一世紀以上生きてもなお尽きない好奇心を抱えています。
これから色々なことを学ぶ子どものように、まだまだ歌いたい、ピアノを弾きたい、もっときれいなものを見たいし、おいしいものを食べたい。常に好奇心を持ち、「あれをしたいこれをしたい」と欲張りでいた結果、毎日が楽しく、いつの間にか歳を重ねていたそう。今年の誕生日を迎えた時も「あら、もう107歳?」という感想だったといいます。
常に新しいことに挑戦し、好奇心を絶やさないことは、美しく歳を重ねるポイントなのでしょうね。
■いつまでも元気な理由は「忙しさ」
107歳になった今でも、嘉納さんは声楽のレッスンはもちろん、昔教えた生徒からコンサートに誘われたり、展覧会や食事会に行ったり、取材を受けたりと多忙を極めます。
そんなにスケジュールを詰め込んだら体を壊してしまうのでは?と心配になりますが、ご本人は、この忙しさこそが元気の秘訣だといいます。
レッスンを受けたいという生徒がいることも、イベントごとに誘われることも、自分が必要とされている証拠。必要とされているからには「やらなきゃ」という気持ちになるそう。何歳になっても世間との関わりをなくさずに忙しく過ごすと、ずっとずっと若々しくいられそうです。
■粗食に走らず何でも食べる
歳を取ると自然に食が細くなり、いつしか粗食の習慣がついてしまうものですが、嘉納さんに限ってはそんなことはなく、特に食事に制限はないといいます。
そればかりか週に一度はウナギ、天ぷら、肉を食べ、甘いお菓子も大好きと、若者顔負けの食生活。年齢を過度に気にして粗食に切り替えるのではなく、バランスを意識して何でも食べるのが本当の意味で健康な食生活なのかもしれませんね。