コミュニケーションの悩みはなかなか尽きないものです。話題の選び方、笑顔の作り方、タイミングの図り方、空気を読む力…。気にしないといけないものがありすぎて、大変ですよね。
もちろん、どれも大事なのですが、以上挙げた要素は、相手によって変わってくるので、一筋縄ではいかないものです。でも、言葉遣いなら、相手によらず、自分が意識することで変えることができますし、憶えるだけでOKです。
NHKの元アナウンサーであり、「ことばおじさん」の愛称で親しまれた、話すエキスパートの梅津正樹氏が執筆した『知らずに使っている実は非常識な日本語』(アスコム刊)は、相手の気を悪くしない言葉遣いを、豊富な実例で紹介しています。
本書では、多くの人が、ついつい使ってしまいがちな日本語を中心に取り上げています。
例えば、演奏会に招待されて、演奏者に「耳ざわりのいい音楽ですね」と言ったとしましょう。実はこれ、褒め言葉にはならないのです。「みみざわり」は「耳障り」と書き、「聞いていて嫌な感じがすること」という意味になってしまうのです。この場合、「耳に心地よい」が正解です。
また、表彰された時などに「皆様に感動を与えるよう、これからも頑張り続けます」と言ったとしましょう。この言い方も、実はNGなのだそう。文法上は間違っていませんが、「与える」というのが失礼な言い方となります。「感動していただきたい」なら、無礼にあたりません。
他にも「こだわりの一品です」と言ったとしましょう。「こだわる」の本来の意味は、「ちょっとしたことを必要以上に気にする」「難癖をつける」という否定的なものばかり。本当の意味を考えると、自己PRになるどころか、自らをイメージダウンに向かわせていることになります。
もし、相手が怪訝そうな表情をしたり、不思議そうに思って変な間ができたりした際は、以上のような日本語を使ってしまっている可能性があります。
言葉遣いだけで、損をする言い方をしないためにも、正しい日本語を身に付けてみませんか?
(新刊JP編集部)
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※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。