ビジネスジャーナル > キャリアニュース > なぜ年俸1億円でも辞めるのか?  > 2ページ目
NEW
いま必要なのは、ホリエモンや村上ファンドのエネルギッシュさ?

なぜマッキンゼーの人は年俸1億円でも辞めるのか?

【この記事のキーワード】

――世の中にインパクトを与えるために、大切なことはなんでしょうか?

田中 日々働くときに、何を目的意識として働くかということが重要です。社内で打ち合わせをしたり、社員と面談したり、資料をつくったりする時など、いかなる時も、私は常に「インパクト」を目的意識として持っています。「自分が今やっていることが、どんなインパクトにつながるか?」を考える、そうすると、何が大事なのか、そして何が無駄なのかが見えてきます。

 例えば、上司から50枚の資料をつくれと言われても、インパクトを出すためなら3枚のほうが良いという場合がある。目的意識をしっかりもつことで、ベストな働き方が見えてくる。

ロコンドというビジネス

――マッキンゼーを辞め、靴の通販サイトを運営するロコンドの代表を務めているのも、インパクトを与えたいという気持ちからでしょうか?

田中 ロコンドというビジネスには、アマゾンや楽天、ZOZOTOWNなどの競合がいるので、決して楽なビジネスではありません。しかし、私がロコンドのビジネスで日本に大きなインパクトを与えることができると信じられるので、続けることができています。そのインパクトが日本の生活者の何かを変え、良くすることにつながると考えています。

――ロコンドで、インパクトを与えるために取り組んでいることとは?

田中 ロコンドでは、新しい通販サイトのかたちをつくりたいと考えています。今までの通販サイトは、安さと便利さという2軸がありました。それは、楽天へ行けばある程度安く買える、アマゾンだと即日発送してくれるといったことです。そのようなことに加え、最近ではZOZOTOWNのようなかっこよさという価値観が加わりました。自宅の近所では買えないようなカッコイイ商品を、カッコいいウェブサイトで買えるようになった。つまり、「便利、安い、カッコイイ」という3軸が揃いました。

 これを飲食店に例えるなら、「早い、安い、うまい」ということだと思います。早いは便利、安いは安い、うまいはカッコイイと置き換えられる。この3軸が揃ったことは、素晴らしいことだと思います。

 しかし、日本の生活をより良くしようと考えたときに「うまい、早い、安い」だけのレストランで、本当に日本がハッピーかというと、必ずしもそうではないと思う。私がよく行く定食屋さんは、確かに「早い、安い、うまい」と揃っています。しかしそれだけで通っているわけではなく、そこには楽しくて思わず通ってしまうようなコミュニケーション、そしてサービスがある。読者のみなさんにも、味は完璧ではないが、思わず通ってしまうといったお店があるのではないでしょうか。日本の通販サイトには、「早い、安い、うまい」を超えたサービスはまだないと考えているので、そういったサービスをつくることが日本人の生活を豊かにすることにつながるのではないでしょうか。

「ほっこり」できる

――そのためのひとつのサービスとして、コンシェルジュサービスがあるのでしょうか?

田中 コンシェルジュも、送料・返品無料もそうですし、無料での翌日出荷や丁寧な梱包などもそうです。費用対効果でいうと、確かにお金はかかります。しかし、サービスを強みの軸とした通販サイトというのは、絶対に日本の生活を豊かにすると考えています。単にパソコンのモニターを見ながらマウスをクリックして買い物するだけでなく、そこで少し「ほっこり」できるということが、まさにやりたいことなんです。

BusinessJournal編集部

Business Journal

企業・業界・経済・IT・社会・政治・マネー・ヘルスライフ・キャリア・エンタメなど、さまざまな情報を独自の切り口で発信するニュースサイト

Twitter: @biz_journal

Facebook: @biz.journal.cyzo

Instagram: @businessjournal3

ニュースサイト「Business Journal」

『なぜマッキンゼーの人は年俸1億円でも辞めるのか?』 コンサル業界の裏側、ベンチャー起業のリアルな実態も満載 amazon_associate_logo.jpg

なぜマッキンゼーの人は年俸1億円でも辞めるのか?のページです。ビジネスジャーナルは、キャリア、の最新ニュースをビジネスパーソン向けにいち早くお届けします。ビジネスの本音に迫るならビジネスジャーナルへ!