4月から始まる新生活を前に、物件探しに駆け回っている人は多いでしょう。
「立地」「設備」「家賃」など、物件を選ぶポイントは人それぞれですが、敷金・礼金・仲介手数料といった「初期費用」はできるだけ抑えたいのが人情。
今や珍しくないとはいえ「敷金0・礼金0」は大きな魅力です。しかし、それよりはるかにすごい「敷金・礼金・退去時の原状回復費・仲介手数料・火災保険・24時間駆けつけサービス・家賃保証料がすべて0円」という物件があったらどう思いますか? 「話がウマすぎる」と、かえって怪しんでしまうかもしれません。
実はこのサービスは、ある不動産会社が提供しているもので、しかも季節限定ではありません。不動産賃貸管理会社向けシステムを販売しているリネシスでは、少子高齢化・人口減少が激しく、空室が多い秋田県の不動産会社「モリ不動産」と提携し、自社が管理する物件の多くで、この「0円賃貸」を導入し、成功を収めているのです。
■「0円賃貸」は誰も泣かずに実現可能なのか?
「0円賃貸」と聞くと、物件の「借り手」からすれば確かに夢のような話なのですが、退去時の原状回復にも、火災保険に加入するのにも実際はお金がかかります。
「その費用がどこから出ているのか」は当然気になるところで、物件のオーナーが負担しているとしたらちょっと気の毒な話ですし、不動産会社が負担しているとしたら「無理しすぎじゃないの?」と考えてしまいます。いずれにしても、長続きしそうなサービスとは思えません。
『まったく新しい「0円賃貸」で高収益マンション投資術』(森裕嗣/著、幻冬舎/刊)を読むと、実際は誰の懐も痛んでいないようです。そこにはこんなカラクリがありました。
■月々の会費で「三方よし」を実現
「0円賃貸」を可能にする最大の要素は物件のオーナーや入居者から募っている会費です。
といっても、さほどの額ではなく、オーナーは月々1,500円前後、入居者が月々2,500円ほど。これらが「0円賃貸」の原資になるとともに、モリ不動産の利益になっています。
勘のいい方ならお気づきだと思いますが、このシステムを運用することで、入居者もオーナーも、そして不動産会社も巻き込んだ好循環が巡りはじめます。
住居者からしたら、初期費用も保険も退去時もお金がかからないわけですから万々歳ですし、好条件の物件には入居者が殺到しますから、オーナーは自分の物件の空室率に悩むことはなくなり、安定して家賃収入を得ることができますし、それによって常に入居者を惹きつけるような設備投資もできるようになります。そして、仲介手数料を軸にしたビジネススタイルが限界に来ているといわれる不動産会社にとっても新しい収入源が確保されるというわけです。
「0円賃貸」の手法は、ここで紹介したものだけではありません。
本書では、このシステムを安定して運用するノウハウが詳しく解説され、持ち物件の空室に悩む不動産オーナーや、仲介手数料頼みのビジネスが行き詰まっている不動産会社に、現状を打ち破るヒントを与えてくれます。
不動産会社・オーナー・入居者が新しい関係を築く「0円賃貸」は、既存の不動産業界に一石を投じるものになるかもしれません。
(新刊JP編集部)
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※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。