頑張っているのに成果が出ない。肩に力が入りすぎていたり、張り切りすぎていたりして、失敗してしまう。そんなとき、私たちは脳のムダづかいをしている可能性がある。そして、脳のムダづかいをやめる方法を覚えることが、自分の力を発揮することにつながるのだ。
『自分の力を最大限に発揮する! 脳のトリセツ』(菅原洋平/著、同文館出版/刊)は、脳のリハビリで用いられている「エラーレス・ラーニング(誤りなし学習)」の考え方をもとに、「言葉」「自律神経」「注意」を変える行動習慣を紹介する一冊だ。
自分の能力を高めようと思ったとき、難しいことにチャレンジして、これまでの生活をガラッと変えようとすることは多いだろう。しかし、結局続かないということに陥りやすい。
「ガラッと変えたい」と思ったときは、ハイテンションになって期待感が強まるが、続かなかったときにガクッと落胆してしまう。この感情起伏に、脳の大量のエネルギーが使われてしまうという。これが「脳のムダづかい」になると著者は述べる。このエネルギーをもっと大切なことに使うことができれば、大きな成果が上げられたはず。
では、なぜ「ガラッと変えたい」欲求を持つのか。これには、普段使っている言葉が関係しているのだ。
「ガラッと変えたい」と考える人には、共通する口癖があるという。それは、「いつも私はダメだ」「失敗ばっかりする」といように、「いつも」と「ばっかり」という言葉だ。
「いつも○○」「○○ばっかり」という言葉は、感情的な表現で、感情の記憶を強化する。感情の記憶は、脳の中で、事実の記憶まわりにへばりつくように関連づけられている。そして、脳は睡眠中にこの余分な感情の記憶を消去し、翌朝には余分なことを忘れてスッキリとした気分で目覚められるようにしている。つまり、脳には、ムダな感情をそぎ落としてくれる便利な機能があるのだ。
ところが、「いつも」「ばっかり」という言葉は、このムダな感情の記憶を強めて定着してしまう。言葉で負の感情を強めていると、「今度こそガラッと変えたい」という欲求が高まり、悪循環にはまってしまうのだ。
脳のしくみを知り、それを活かす頑張りかたをする。これが能力を高める近道となるのだろう。
そのためにも、普段の言葉選びが重要なことの1つとなる。「いつも○○」「○○ばっかり」を使っているという人は、まずはこの2つの言葉を控えてみてはどうだろう。
(新刊JP編集部)
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※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。