勉強は嫌なもの、つらいものとマイナスイメージを抱いているだろう。しかし、東京大学の学生の多くは、勉強のことを好きだと答えている。一般的には苦痛だと感じる行為を人よりも長い時間費やしているにもかかわらずだ。
東大生が勉強を続けられた理由は何か。それは勉強の「楽しみ方」や勉強する「意味」や「動機」をそれぞれが見出してきたことにある。
『わが子を勉強中毒にする方法』(「東京大学への道」指導会/著、データハウス/刊)は、30年にわたって東大生1000人以上の小学校・中学校・高校時代を調査・研究し、子供を「勉強好き」にさせる具体的な方法を紹介している。
東大生の勉強が好きな理由は、「勉強することで自分の世界が広がる」「受験勉強は嫌いだけど、純粋に学問は好き」など、さまざまだが、「なんとなく好き」と答える学生は少ないという。「好き」と答えるなかには、必ず理由があるのだ。
勉強好きになるためには、勉強する「意味」をまず持たなければならない。しかし、勉強への最初のきっかけを、子ども自身が見出すことは難しい。情報が少なく、勉強と自分の興味にどういう接点があるのか、気づけないのだ。
そこで利用できるのが「子ども自身の興味」だ。自分の興味・関心から広げさせて、勉強する意味を見出させる。その後、子どもの「興味」をさらに深める。興味の先にある「学び」には、必ず「人」が関わっているという。
その子どもの興味に関わる「人」から「自分の将来の姿」を子どもにイメージさせ、子ども自身の「将来の理想の姿」になるために勉強を促すのだ。
本書によると、興味から勉強に結びつけるためには、
1.「興味」から「将来像」を考えさせる
2.「将来像」に関する資料をとことん集めて、子どもに示す
3.「将来像」と「勉強」を結びつける
という3ステップを踏む必要があるという。
例えば、ステップ3の「将来像と勉強を結びつける」では、将来のイメージを具体的に叶えるためのどうすればいいのか、その方法を教えることを訴える。
親に「勉強しないと、○○の仕事に就けないぞ」「いい大学に入れないぞ」と言われても、子どもはすぐに言うことは聞かないかもしれない。しかし、なぜいい大学に入らなければいけないのか。何のための勉強なのか。親は子どもに、職業と勉強の間に存在する「中間目標と努力」をうまく伝える必要があるのだ。
「こんな勉強が将来役に立つのか」「受験勉強は大学に入るためだけの勉強」など、勉強はつまらないものというイメージを持ってしまうと、当然、勉強するのが苦痛になってしまう。子どもに目標を持たせ、なぜ勉強が必要なのか、勉強に興味を持たせるよう促すことは、親として必要なことなのだろう。
(新刊JP編集部)
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※本記事は、「新刊JP」より提供されたものです。