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【2】“黒い会社”を生み出す日本型雇用の限界

ワタミにユニクロ……不況下で伸びている企業はキケン!?

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 本誌でも追求したが、08年頃には、セブン-イレブン・ジャパンや日本マクドナルドにおいても、実際には、役職にふさわしい権限などを与えていないのにもかかわらず、「管理職」に任命することによって、残業代などを削減する、いわゆる「名ばかり管理職」が横行していたことが問題となった。このように、人気就職先に名前が挙がるような有名企業でも、”黒い”体質を持っているケースがあると、ブラック企業アナリストの新田龍氏は言う。

「学生に人気が高いJTBはとにかく売り上げのノルマが厳しいことで有名。窓口での売り上げだけではなく、自社の商品券の販売ノルマもあって、さばき切れなかった場合は自分で購入することもざらです。これは、『自爆営業』と呼ばれ、金券ショップにこれらの商品券がたくさん置いてあるのは、社員が購入した分を売り払っているからだという噂もあります」(新田氏)

 さらに、ある専門家からは、こんな意見も聞かれた。「ユニクロはグローバル企業をうたい、一般的な企業イメージは良いのですが、実際には過酷な長時間労働などで知られ、『ブラック企業』だとする声も多いです。しかし、こうした報道に対して、同社は出版差し止め要求や名誉毀損での数億円単位の民事訴訟を起こすといった前例があるため、マスコミもあまり実情を報じないのが現状なのです」。事実だとすれば、恐ろしい話である。

 このように大企業といえども、ブラック企業といえるような企業も多数存在している。では、そもそもブラック企業とは、どのような企業なのだろうか? 今号特集内「経済小説家座談会」において、評論家の佐高信氏は「企業なんてそれそのもの、全部がブラック」だと掲げていたが、一般的なイメージとしては、「サービス残業などの労働基準法違反や、パワハラ、セクハラが横行している違法な会社」といったものだろう。

 そのほか、ネットワークビジネスやねずみ講、高額商品を無理やり契約させるキャッチ商法など、違法性の高い事業を行っている業者もブラック企業といわれている。そういった企業は、インターネット上で「ブラック企業ランキング」としてまとめられ、就職活動生の多くが目を通しているが、それでも入社してしまう学生が跡を絶たないのは、前記の通りである。

 しかし、一口にブラックと言っても、人によって受け取り方はさまざま。とらえ方によっては些細な問題でも、「ブラック」と判断できてしまうことも確かだ。社会人経験のない新卒採用の社会人が安易にブラック企業のレッテルを貼ってしまうことへの批判も当然あり、いたずらに、「ブラック企業への不安」を煽るだけでは、現状を打開することはできない。そこで、ブラック企業の定義を改めて問い直し、なぜ現在の日本でにわかに問題となっているのかを、識者の話から検証していこう。

BusinessJournal編集部

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『就職先はブラック企業』 黒歴史にならないといいけど。 amazon_associate_logo.jpg

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