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耐用年数300年! アメリカ住宅事情に学ぶ

タダで一軒家をゲットして、カネを生む理想の住まいをつくれ!

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中庭を改装してつくったリビング。こんな空間で
菅野美穂がハイボールつくってくれへんかな〜。
世界13カ国の家と建築、国内500軒以上の家を取材し、暮らしに役立つ情報を発信している"暮らしの"ジャーナリスト・高橋洋子。自ら0円同然の中古住宅を新築同然にリノベーションした経験もある高橋氏が、アメリカと日本での取材を通じて、「住宅」そして「住宅をとりまく制度、仕組み」のあるべき姿について探る。

 もしも、住めば住むほど家の価値が上がったら、3000万円で買った家が5000万円で売れたら、誰もがうれしいはずだ。すでにアメリカでは、住むほどに家の価値を上げ、ほかの人に"住み継ぐ"文化が育っている。一方日本の木造住宅は、築20年もすると建物の価値が0円同然になってしまう。いったい、この違いはどこにあるのだろうか?

 以前アメリカのリノベーション事情を調べに、同国中西部に位置するサンタフェに取材旅行に出かけたときのことだ。そこでは、居住者自らが家を修繕するDIYで壁を塗ったり、部屋を増築したり、住まいをグレードアップさせるのが一般的だという。

 教えてくれたのは、築32年の家に住む女性作家だ。夫婦2人で9年の歳月をかけて、快適な住まいへと改修工事をした。中庭をリビングに改装して暮らしている。資金を貯めては、近くのホームセンターで道具を購入し、キッチンの壁を塗ったり、床にタイルを貼ったりしている。

 2軒目に訪れたのは、築54年の中古住宅に住む日本人通訳の家だ。自ら畳敷きの茶室をつくり、お茶の教室や料理教室を開いている。畳は自ら入手して、敷き詰めた。

 近年、日本でも、新築より中古の住宅を選ぶ人が増えている。国土交通省が3月に発表した資料「中古住宅・リフォームトータルプラン」によると、日本の全住宅流通に占める中古住宅のシェアは、1990年にはわずか5.5%だった。それが2008年には13.5%に上昇し、翌09年には首都圏の中古マンション流通量が、新築のそれを上回っている。

 とはいえ欧米に比べると、日本の中古住宅流通量シェアはまだまだ低い。日本が13.5%(08年)であるのに対し、アメリカは77.6%、イギリスは88.8%、フランスは66.4%と高い水準にある。欧米では古い家を大事に使い、必要に応じリフォームするというライフスタイルが定着していることが背景にある。

 なぜ、日本ではリノベーション文化が浸透していないのだろう? 土地と建物の適正な価値を鑑定する業務を行う株式会社建物鑑定・佐藤政昭代表に話を聞いた。

「日本とアメリカの違いは大きく3つあります。ひとつ目は耐用年数の違いです。日本は戦後の持ち家政策により、住宅金融公庫ができ、木造住宅を基準とする法定耐用年数(国税庁制定)の22年以内でローン完済するような制度になりました。結果、住宅は20年持てばいいと考えが主流となり、住宅会社や住宅メーカーにも建物価値を高めるような発想はなく、安易な家づくりをするようになったのです。それに対して欧米の住宅は、レンガやコンクリートの建物が主流で、100年も200年も耐えられる住宅が基本となっています。建物を大事に使うという思想が根幹にあります」

 2つ目の違いは、土地と建物に対する価値観の違いだ。日本は建物より土地の価値を重要視している。