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反応さまざまなあのニュースをどう読む? メディア読み比べ(7月3日)

カネボウ化粧品自主回収、深刻化招いた初動ミスと、進む再建への痛手

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自社サイトトップに掲載されるお詫び文。
(「カネボウHP」より)
 カネボウ化粧品と同社の子会社、リサージ、エキップの3社が7月4日、美白有効成分「ロドデノール」が配合された化粧品約45万個を自主回収すると発表。これを各メディアが大きく取り上げている。

 5日付の朝日新聞によれば、問題となったロドデノールは、カネボウ化粧品が独自に開発したもので、この成分が含まれていたのは8ブランド、54製品。2008年から販売され、国内で約25万人が利用していたというが、今年5月になり、皮膚科医からカネボウ化粧品に「肌がまだらに白くなった人が3人いる」との連絡が入り被害が発覚。同社がさかのぼって調査したところ、11年以降で同様の症状が出たと思われる例が39件あったという。

 各紙のまとめによれば、商品の回収や返金に関連して、約50億円の費用が発生する見込み。また5日の産経ニュース記事によれば、対象商品の国内売上高は年間約50億円、台湾や韓国、タイなどアジアを中心に海外でも同10億円の規模がある。しかし、同記事が指摘しているように、親会社である花王の12年12月期の連結売上高は1兆125億円であり、自主回収する商品の売上高は極端に大きいものではないことがわかる。

 各メディアが指摘しているのは、自主回収による短期的な損失ではなく、やはりブランドイメージの低下という中長期的な問題だ。

 7月5日の日刊ゲンダイは、「自主回収『カネボウ』は二度死ぬのか」と題した記事で、その影響の深刻さについて報じている。カネボウ化粧品には1日1万5000件もの問い合わせが殺到しており、経済ジャーナリストは「ブランドイメージの悪化が他の製品にも波及すれば大変なことになります」と警鐘を鳴らす。

 市場も敏感に反応しており、花王の4日の株価は前日比80円安の3415円に。仮に被害者続出で集団訴訟……などの事態になれば、産業再生機構の支援を受けたカネボウ化粧品を06年に買収し、経営再建に取り組む「超優良企業の親会社(=花王)も黙ってはいないだろう」。同記事にコメントを寄せた経済ジャーナリストは、「花王は、ソフィーナという自分たちの化粧品ブランドがありますからね。カネボウのイメージダウンが激しければ、いろんな判断があるでしょう」と、「カネボウ」の“二度目の死”を示唆した。

 また、7月4日配信の東洋経済オンラインは、自主回収商品の主力販路がドラッグストアであったことに注目。百貨店、化粧品専門店 などさまざまある化粧品の販路の中でも、ドラッグストアはもっとも売り場争奪戦が厳しい。

 同記事によれば、同業大手のコーセーは、2011年の東日本大震災直後、物流倉庫の被災により商品供給が滞った際に売り場を失った。供給能力が完全に回復した後も、すでにドラッグストアの売り場は他社の製品で埋まっており、「売り場と売り上げを震災前の状態に取り戻すのに、1年以上の時間を要した」という。原因が製品の不備、自主回収となれば、売り場の応援も受けられず、“復帰”がより長引くことも考えられるだろう。

 企業コンプライアンスに詳しい弁護士の山口利昭氏は、自身のブログで「原因が特定されてませんので、これをカネボウ化粧品の不祥事だと断定できるものではありません」としながら、初動の遅れが問題だったと指摘している。