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牛窪恵の女ゴコロがブームを創る! 第13回「変わり種アイス」

変わり種アイス、ヒット続出のワケ インコ風味に給食…カギはB級・高級・懐かしさ?

文=牛窪恵

 ところが、女子はワガママだ。

◆今後、最も食べたいアイス

 いつも「変わり種アイス」でいいわけではない。

 最も食べたいのは、やっぱり高級グルメに位置づけられる、「ハーゲンダッツ」(ハーゲンダッツジャパン)。

 ただ、2位以下を見ていただくと、「雪見だいふく」や「ガリガリ君」「白くま」など、懐かしの面々がランクインしている様子も分かる。

 つまり、もちろん高級グルメに憧れはあるが、「懐かしさ」や「B級の意外性」にも誘われる。

 デートでも、例えば
◆記念日だけは、高級グルメのレストランで
◆でもふだんは、どこか懐かしかったり、ちょっと意外性のあるB級グルメで
と緩急をつけるのが、女ゴコロを打つ、最も賢い手法だと言えよう。

 面倒に感じる男性も多いだろうが、その微妙でワガママな女ゴコロが人気を後押しするビジネスも、多々ある。

 例えば、
 「アイスが溶けるまで、待ちきれない」
 との女ゴコロと、それを解消すべく生まれたヒット商品。

 まず、先のハーゲンダッツジャパンが運営するコミュニティサイト「クラブ ハーゲンダッツ コミュニティ ジャーナル」が、女子を中心に「(アイスの)食べごろを待つひとときの過ごし方」を聞いたところ、

変わり種アイス、ヒット続出のワケ インコ風味に給食…カギはB級・高級・懐かしさ?の画像6(出典:クラブ ハーゲンダッツ コミュニティ ジャーナル「「食べごろを待つひととき」の過ごし方」調査)

 なんとダントツの1位は、「待ちきれない!」。
 2位の「TVや携帯でホッとひといき」に倍以上の差をつけ、堂々の1位に輝いた。

 でも、そのワガママを解消すべく生まれたスプーン、「15.0%」(企画販売:タカタレムノス)
 これが女子の間で、大いに話題を呼んでいるのだ。

変わり種アイス、ヒット続出のワケ インコ風味に給食…カギはB級・高級・懐かしさ?の画像7「15.0%」ブランドの、携帯用アイスクリームスプーン。ストラップ付きで持ち歩ける)

 熱伝導率の高いアルミニウム製で、スプーンを持つ手から体温が伝わり、アイスを溶かしながらすくうことができる仕掛け。

 6月、エッセイストの阿川佐和子さんがテレビ番組などで紹介したこともあり、入荷待ちの店も出ているほど。

 最初に発売されたスプーン(No.01 vanilla)は、1個3150円(税込)とやや高めだったが、最近になってバッグやベルトなどにぶら下げられる「携帯用アイスクリームスプーン」(1890円税込)が登場。ギフトなどにも売れているという。

 この夏、冷たいアイスでも食べながら、あなたの周りの「ワガママな女たち」を観察してみてほしい。

 きっとビジネスのヒントが隠れているはずだ。
(文=牛窪恵/マーケティングライター、世代・トレンド評論家、有限会社インフィニティ代表取締役)

牛窪恵

牛窪恵

マーケティングライター、世代・トレンド評論家、有限会社インフィニティ代表取締役。1968年、東京都生まれ。日本大学芸術学部映画学科(脚本)卒業後、大手出版社に入社。5年間の編集およびPR担当の経験を経て、フリーライターとして独立。2001年4月に、マーケティングを中心に行う有限会社インフィニティを設立。『ホンマでっか!?TV』(フジテレビ系列)、『キャスト』(朝日放送系列)、『あさナビ』(テレビ朝日系列)などに出演中。トレンドやマーケティング関連の著書が多数あり、「おひとりさま(マーケット)」(2005年)、「草食系(男子)」(2009年)は、新語・流行語大賞に最終ノミネートされた。近著は『アラフォー独女あるある! 図鑑』(扶桑社)。

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