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NISA、銀行で口座を開くべきではない?取扱い商品少なく、投資の幅狭まる懸念

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「Thinkstock」より
 投資初心者向けの少額投資非課税制度、NISA(日本版ISA)が2014年1月より開始されます。100万円分の投資資金から5年間得られる配当および売却利益を非課税にするという制度で、口座開設申請手続きが始まった10月1日には、金融機関を通じた申請件数が300万件を超えたと報じられています。NISA口座は、開設数に1人1口座のみという制限があり、1度開設すると4年間は金融機関を変更できないため、金融機関各社は顧客獲得に力を入れています。

 しかし、初心者向けとは思えないぐらい複雑な制度となっており、「わかりにくい商品をつくってうまく顧客に当て込むという、業界の悪い慣習が如実に現れている」という指摘もあります。NISAの導入目的として、国は「預金率が高い日本人に投資を推進しよう」というのを名目に掲げており、なかなか預金から流動しない資金をリスクマネー(株・投資信託など)に流すのが一番の狙いです。

●銀行でNISA口座を開くべきでない2つの理由

(1)投資信託の種類が少ない

 証券会社だけに限らず、銀行でも投資信託と呼ばれるいわば証券の「パッケージ商品」が販売されています。さて、投資にあまりなじみのない大多数の方には意外と知られていないことですが、銀行で販売している同じ投資信託の商品が、証券会社でも普通に買えるというのはご存知でしょうか?

 よく誤解されがちなのですが、銀行で販売されている投資商品というのは、銀行が企画・運用して販売しているわけではありません。あくまで銀行は、外部(系列会社・子会社含む)の企業が開発した投資商品の販売を委託されているだけです。これは証券会社で販売される投資信託についても同様です。

 では、なぜ銀行でNISA口座を開くべきでないのか? 理由は簡単で、「扱われている投資信託の種類数」です。銀行では平均するとせいぜい一行あたり20〜30種類、それに対して証券会社は100種類以上の投資信託を扱っています。商品に優劣がないのなら、非課税口座は多数の選択肢が用意されている証券会社のほうがよいといえます。

(2)株式およびその他有価証券が購入できない

 さらに致命的な欠点ですが、銀行では基本、通常の株式を購入することができません。それどころかETF(上場投資信託)やREIT(不動産投資信託)といったような、投資の選択肢を広めることができる証券も購入できません。

 つまり、証券取扱いに極端に弱いというのが、銀行でNISAを開くべきでない2つ目の理由ですが、その背景には長年続いてきた「銀証分離政策」と呼ばれる日本の金融行政が影響しています。一言でいえば、「銀行というのはお金を貸すのが本業であって、資産運用を行うところではないから」という理由です。

●口座開設前に十分な検討が必要

 以上見てきたように、NISAの活用を検討している人は、銀行から「当店では地域密着で、お客様の声を聞いて、投資プランを提案いたします」と言われ口座を開設してしまい、気がつけば証券売買の幅が狭まってしまったというような事態に陥らないためにも、今一度銀行と証券会社の取扱い商品の質・量を比べてみることをお勧めします。証券なんて、どこから買おうと種類自体は変わらず、管理・提供方法でリターンは大きく変わりますし、それがすべてといっても過言ではありません。

 また、投資のポイントである手数料については、ネット証券が乱立し値下げ競争が過熱したことで、非常に安価になってきています。銀行より証券会社の口座のほうが安価なケースも多いですので、重要な着眼ポイントといえます。

 冒頭で触れたように、NISAの口座は一度開設してしまうとやり直しが利きにくいという特徴がありますので、今一度よく検討して口座を開設することをお勧めいたします。
(文=土居亮規/Business Library Butterfly)