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3Dプリント、普及の兆し~加速する低価格化&簡素化、独特なサービス狙う企業も続々

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「Thinkstock」より
 3Dプリントをめぐるサービスが次々に新しい展開を見せている。クリエーターのみならず、家庭でも3Dプリントが当たり前という時代がじわじわと近づいている。

 1月16日、世界最大のソフトウェア制作・販売会社であるアドビシステムズ(アドビ)が、Photoshopに3Dプリント対応の新機能を持たせるアップデートの提供を始め、話題となっている。立体造形が可能な3Dプリンタの低価格化が進み、普及への期待が高まっている。そんな流れの中、2Dの画像編集・加工ソフトの代表格ともいえるPhotoshopも、3D対応へと舵を切ったことになる。

 Photoshop CC(Creative Cloud)をアップデートさせることで、3Dプリンタを直接使うことができるようになった。これまでも3DのCGソフトやCADソフトはあったし、2Dデータを3Dデータに変換するソフトもあったが、2Dの画像編集・加工ソフトの代表格として広く浸透しているPhotoshopが3Dプリントに対応したということで、3Dプリントのユーザーの拡大が期待される。アドビも「3Dプリントが劇的に簡素化される」と自信をのぞかせている。

 一方で、3DCGソフトや3DCADソフト、さらにはPhotoshopといった高機能なソフトを使いこなせないユーザーにとって注目されるのが、3Dスキャナの低価格化だ。3Dスキャナは、実在する物や人をレーザーでスキャンする装置であり、スキャンするとすぐに3Dデータになるので、ユーザーは特別なスキルを必要としない。

 ただ、これまでの3Dスキャナは1台当たり数十万円以上したので、一般家庭には普及してこなかった。それが最近では、簡易タイプの3Dスキャナが安いものでは数万円で手に入るようになっている。

●3D時代の新たなサービスも

 また、3Dデータの提供サービスも始まっている。映像制作会社・IDAは、1月17日から同社制作の幼児向けキャラクター番組『バ怪獣 ゴメラ』の3Dプリンタ出力用データを無料で配布している。今後、3Dプリンタが普及すれば、こうしたキャンペーンやサービスが増え、各家庭でキャラクタグッズをプリントすることが当たり前になってくるかもしれない。

 3Dプリンタは食品産業にも広がりを見せている。1月16日、米チョコレートメーカー最大手のザ・ハーシー・カンパニー(通称:ハーシーズ)が大手3Dプリンタメーカー・3Dシステムズと提携すると発表して話題となった。数年かけて立体造形技術を使用した新商品の開発を行うとしている。近い将来、3Dプリンタを使ったユニークな形のお菓子が出回り、もしかしたら3Dデータが公開されて、お菓子を自宅でプリントできる時代がくるのではないだろうか。

 慶應大学がメーカーと共同で開発した3Dプリンタは、さらに興味深い。これは米粉を材料にして食器をプリントすることができ、食器はもちろん食べられる。プリントした食器でご飯を食べ、使い終わった食器も鍋で煮込んで食べる、といった再利用が可能だという。

 このように、3Dプリントを応用するアイディアは次々に生まれており、非常に活気が感じられる。さらなる普及と、それに伴う新機軸の登場に期待したい。
(文=宮島理)