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イオン、完全子会社化のダイエーは重い荷物or都市戦略の武器?影落とす「空白の10年」

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ダイエーの店舗(「Wikipedia」より/Kirakirameister)
 流通業界から「ダイエー」の名が消えることになった。ダイエーといえばかつては流通の王者として戦後の流通革命をリードし、全盛時は米ハワイ・オアフ島メインストリートのアラモアナショッピングセンター、百貨店のプランタン銀座、コンビニエンスストアのローソン、プロ野球球団の福岡ダイエーホークス、さらにはクレジットカードのOMCカードやホテルと、100社以上の関連企業を傘下に収めた日本有数の巨大流通コングロマリットだった。

 その王者が昔日の面影を失ったのは、1990年代前半のバブル崩壊がきっかけ。高度経済成長期、店舗用地や流通関連企業を買い漁り、買収した用地や企業の資産価値上昇を見込んで借金を重ね、債務超過をものともせず拡大を重ねた。そのビジネスモデルがバブル崩壊で頓挫した。

 その後は3度にわたる金融機関による緊急支援に始まり、04年からは産業再生機構による本格的な経営再建が開始された。だが再建支援企業となったイオンと丸紅の共同再建体制(商品戦略は丸紅、店舗運営はイオン)も災いし、再建は遅々として進まなかった。その結果、ダイエーは今年12月26日付で上場を廃止、来年1月1日付でイオンの完全子会社(イオン100%出資)となり、屋号「ダイエー」の消滅も決まった。

 実際、ダイエーの業績はこの10年間、「空白の10年」といわれるほど低迷した。直近でも2期連続の営業赤字で、売上高は減る一方。今期も業績不振から立ち直れない。9月24日には15年2月期の売上高が8300億円から7870億円へ、営業損益が20億円の黒字から65億円の赤字へとの業績下方修正を発表。3期連続の営業赤字転落が確実となった。これにより、7期連続の最終赤字転落も確実視されている。

 流通業界担当の証券アナリストは「経営再建の失敗要因は3つに集約できる」と、次のように指摘する。

 1つ目は丸紅(商品供給側)とイオン(商品調達側)の共同再建という根本的な矛盾であり、抜本的な経営改革の阻害要因になった。2つ目は、それによる中途半端なリストラ。ダイエーの既存店は大半が老朽化しているが、「空白の10年」がネックとなり改装も改築もできず、客離れの遠因になった。そして3つ目は商品力。「安さ追求だけの商品政策しか実施できなかった結果、収益を上げられなかった。同時に商品的な魅力が何もないダイエーは、客に飽きられる店になった」(同アナリスト)

●既存店は商圏を限定し、食品スーパーへ業態転換


 イオンはダイエー再建の主導権を握るため昨年8月、それまで20%だった出資比率を44%に引き上げて同社を子会社化したが、再建に手を焼いた。業務効率化が計画通り進まず客離れが進み、既存店売上高は当初見込みを下回る状態が続いている。この状態に音を上げたイオンは「ダイエーを上場したままで経営再建をするのは困難と判断、上場廃止と完全子会社化を決めた」(流通業界関係者)という。