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山田修「展望!ビジネス戦略」

職の半分がコンピュータに奪われる?事務職、サービス業…中間所得層激減で貧富二極化

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「Thinkstock」より
 ハウステンボスが今年7月に開業する、その名も「変なホテル」には、チェックイン時の接客ロボット(3台)、コーヒーなどを運ぶサービスロボット(1~2台)、清掃ロボット(数台)などが配備されるという。これによりホテルで最も経費がかかる人件費を従来の3分の1以下に抑えられるという。これは企業から見れば大胆なコスト削減戦略だが、従業員側から見ると、ロボット、つまりITシステムにサービス業の雇用が奪われる先例となる動きとして注目したい。

 映画『ターミネーター』(ワーナー・ブラザーズ)で描かれたように、コンピュータは人間の能力を超えるのか、そして敵対するまでになるのか?

 『本当に使える戦略の立て方 5つのステップ』(山田修/ぱる出版)
 1997年に、チェスの世界チャンピオンのガルリ・カスパロフとIBM製コンピュータ「ディープブルー」が対戦しし、ディープブルーが2勝1敗3引き分けで世界チャンピオンを破ってしまっている。将棋の場合は、取った持ち駒を使うことができるという一段の複雑さがあるので、コンピュータが人間を破ることは至難のことだと考えられていた。ところが2014年、プロ棋士5名がコンピュータと戦う「電王戦」で、人間が1勝4敗でコンピュータに敗れてしまった。

 人間の思考能力を脳の演算能力として考えると、脳全体のコンピュータ命令(0か1かの判断)は毎秒約10の14乗回程度の能力だと考えられている(『シンギュラリティは近い』<レイ・カーツワイル/NHK出版>)。IBMのコンピュータである「ブルージーン/L」は、05年時の計測ですでに毎秒3.6×10の14乗回の演算能力があった。つまり、すでに私たちの能力はコンピュータに追いつかれ、将棋のような複雑なゲームでさえ太刀打ちできないほどの状況が現出しているのだ。

●コンピュータが人間の職を奪う?


「変なホテル」のようにコンピュータが私たちの仕事を、雇用を奪うという可能性を指摘した論文が欧米で話題になっている(『The Future of Employment(雇用の将来)』)。著者は、イギリス・オックスフォード大学のカール・ベネディクト、マイク・オズボーン両教授だ。

 2人が資料としたのは、アメリカ労働省の公開データベースである業務情報ネットワークだ。なぜイギリスの学者がアメリカ政府のデータベースを参照するかというと、同ネットワークはアメリカ国内で現在実在する職業を702も取り上げ、さらにそれぞれの職種の業務特性を約100項目も掲げ、それぞれの項目に数値段階を与えている。つまり、計量的に、とても扱いやすいデータベース資料となっているからだ。