ビジネスジャーナル > 企業ニュース > 職の半分がコンピュータに奪われる?  > 2ページ目
NEW
山田修「展望!ビジネス戦略」

職の半分がコンピュータに奪われる?事務職、サービス業…中間所得層激減で貧富二極化

文=山田修/経営コンサルタント、MBA経営代表取締役

『雇用の将来』の結論は衝撃的だ。副題には「仕事はコンピュータにどれだけ影響を受けやすいか」とある。アメリカにおける702の職種は、その度合いによって3つのグループに分けられる。そして、「多くの現在の職種がIT化によって影響を受ける」としている。「影響を受ける」とは「コンピュータに仕事を奪われるリスクが高い」ということだ。両教授の推計によれば、全米で労働者の47%もが、この「高リスクグループ」に属するという。そしてこの「影響を受ける」ことが起きる年限としては、「10~20年」という時間枠のことだともいう。

 アメリカでの702職種のうち「高リスクグループ」に分類されたのは、例えば運送・物流業、事務職、秘書的な補助職、製造業の作業員などだ。さらに過去数十年間アメリカで増え続けてきたサービス業従事者も、このグループに含まれてしまうという。そして、このグループに分類された職種の中では、高学歴などもコンピュータ化に対して無力だ、ともしている。

 両教授のもう一つの推計は、「職の二極化」である。中間所得層が激減して、大多数が低賃金職か高所得職に二分される、というのだ。

『雇用の将来』は、昨年来、欧米でとても注目されてきた。日本でもフランス経済学者のトマ・ピケティに次ぐブームとなるだろう。本格的な翻訳・紹介がまたれる。
(文=山田修/経営コンサルタント、MBA経営代表取締役)

※本稿は、九段クラブ1月例会での平田洋介氏の発表に負うところが大きい。記して謝意を表する。

山田修/経営コンサルタント、MBA経営代表取締役

山田修/経営コンサルタント、MBA経営代表取締役

経営コンサルタント、MBA経営代表取締役。20年以上にわたり外資4社及び日系2社で社長を歴任。業態・規模にかかわらず、不調業績をすべて回復させ「企業再生経営者」と評される。実践的な経営戦略の立案指導が専門。「戦略カードとシナリオ・ライティング」で各自が戦略を創る「経営者ブートキャンプ第12期」が10月より開講。1949年生まれ。学習院大学修士。米国サンダーバードMBA、元同校准教授・日本同窓会長。法政大学博士課程(経営学)。国際経営戦略研究学会員。著書に 『本当に使える戦略の立て方 5つのステップ』、『本当に使える経営戦略・使えない経営戦略』(共にぱる出版)、『あなたの会社は部長がつぶす!』(フォレスト出版)、『MBA社長の実践 社会人勉強心得帖』(プレジデント社)、『MBA社長の「ロジカル・マネジメント」-私の方法』(講談社)ほか多数。
有限会社MBA経営 公式サイト
山田修の戦略ブログ

職の半分がコンピュータに奪われる?事務職、サービス業…中間所得層激減で貧富二極化のページです。ビジネスジャーナルは、企業、, , , の最新ニュースをビジネスパーソン向けにいち早くお届けします。ビジネスの本音に迫るならビジネスジャーナルへ!