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『雇用の将来』の結論は衝撃的だ。副題には「仕事はコンピュータにどれだけ影響を受けやすいか」とある。アメリカにおける702の職種は、その度合いによって3つのグループに分けられる。そして、「多くの現在の職種がIT化によって影響を受ける」としている。「影響を受ける」とは「コンピュータに仕事を奪われるリスクが高い」ということだ。両教授の推計によれば、全米で労働者の47%もが、この「高リスクグループ」に属するという。そしてこの「影響を受ける」ことが起きる年限としては、「10~20年」という時間枠のことだともいう。
アメリカでの702職種のうち「高リスクグループ」に分類されたのは、例えば運送・物流業、事務職、秘書的な補助職、製造業の作業員などだ。さらに過去数十年間アメリカで増え続けてきたサービス業従事者も、このグループに含まれてしまうという。そして、このグループに分類された職種の中では、高学歴などもコンピュータ化に対して無力だ、ともしている。
両教授のもう一つの推計は、「職の二極化」である。中間所得層が激減して、大多数が低賃金職か高所得職に二分される、というのだ。
『雇用の将来』は、昨年来、欧米でとても注目されてきた。日本でもフランス経済学者のトマ・ピケティに次ぐブームとなるだろう。本格的な翻訳・紹介がまたれる。
(文=山田修/経営コンサルタント、MBA経営代表取締役)
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