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急増する大型ショッピングセンター、街中進出で百貨店を破壊 消費者行動激変で淘汰加速

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イオンモールの店舗(「Wikipedia」より/わたらせみずほ)
 ショッピングセンター(SC)がコンビニと同じように市場拡大を続けている。競合する百貨店や総合スーパーが長期低迷にあえいでいるのと対照的だ。日本ショッピングセンター協会の調査によると、2013年のSCの施設数は3134件、その売り上げ総額は28兆9209億円、14年は29兆7697億円と30兆円目前に迫る勢いにSC業界関係者の期待も高まっている。

 SC業界の成長要因は出店拡大だ。13年の新規出店数は65件。14年も55件が新規出店している。01年以降新規出店が最低だった12年の35件を底に、再び拡大傾向に入っている。また、施設の大型化も成長に寄与している模様だ。昨年は「イオンモール和歌山」「ららぽーと和泉」など店舗面積が3万平方メートルを超える大型施設が続々と開業、その数は10件に達した。つまり昨年開業したSCのうち大型施設が2割近くを占めているわけだ。

 中でも開業前から何かと話題になったのが、「イオンモール岡山」(昨年12月5日開業)だった。大型SCといえば郊外に建てるのが常識のようなもの。その常識を覆し、JR岡山駅から徒歩5分の繁華街の一角に敷地面積約4万6000平方メートル、店舗面積約9万2000平方メートルの7階建てSCビルが出現したのだから、話題になるのも当然といえよう。

 イオンモール岡山の出店に代表されるように、昨年はSCの都市シフトが鮮明になったのも業界の特徴だった。都心部への出店は10年以降1桁台で推移、13年も6件だった。それが14年は12件と倍増。その一方で、これまでの出店の中心だった郊外は20%近く減少した。

●「人気SC」と「廃墟のようなSC」の分かれ目


 SCが都市シフト傾向を強めているのは、駅という人が集まる資産を抱えている鉄道会社がSC事業開発を積極的に進めているからだといわれる。昔から「ルミネ」「アトレ」を展開しているJR東日本を筆頭にJR各社がSC事業開発に本腰を入れている。私鉄でも東武鉄道が「東京スカイツリー」の関連スポットとして「東京ソラマチ」を開業し、連日賑わいをみせている。

 また、商業施設開発関係者は消費者の行動傾向として「以前は買い物もレジャーの1つだったが、今は通過点の行動の1つ。つまり買い物をするためにわざわざ外出することはなく、買い物は『何かの目的を持った行動のついで』。この行動変化がSCの都市シフトの背景にある」と指摘する。

 このため、消費者が日常的に集まる駅に隣接しないSCは、消費者をいかに呼び込むかで知恵を絞っている。同関係者は「いつも賑わっている人気SCと、行ってみると食品スーパーとパチンコ店だけが開業している『明るい廃墟のようなSC』の分かれ目は、商圏人口と回遊性にある」と、次のように説明する。

 商圏人口はSCの絶対条件であり、これを担保できないと施設デザイン、話題演出などでいくらがんばっても失敗する。一方、客を施設全体に行き渡らせるために、横と縦の動線計画が重要。