この連載企画『だから直接聞いてみた for ビジネス』では、知ってトクもしなければ、自慢もできない、だけど気になって眠れない、世にはびこる難問奇問(?)を、当事者である企業さんに直撃取材して解決します。今回は放送作家の鮫肌文殊氏が、回転寿司店の席に設置されている給湯ボタンに関する疑問について迫ります。
【今回ご回答いただいた企業】
回転寿司店
酒の飲み過ぎですい炎を患い、断酒して今年ではや4年目。すい臓の何割かが壊れているので、脂質を制限している。一般の成人男性一日当たりの標準脂質摂取量60グラムのちょうど半分、30グラム分しか食べられない。
それでも、たまには牛丼も食べたい。そんな時はどうするか?
「脂質のカタマリである肉を残して食う」のである。牛丼の「気分」だけを味わうのだ。だから、私が食べた後の丼にはキレイに肉だけが残っている。これをすい炎患者の「オトナ食い」と呼ぶ。
牛丼以外でも、外食は脂質たっぷりな食べ物ばかりでメニュー選びに困ることが多い。そして迷った末に、すい炎患者の強い味方、回転寿司へ行く。もちろん、脂がたっぷり乗った大トロなどは食わない。脂質の少ないイカやタコ、ボイルされたエビが中心になる。私の使ったあとの醤油皿を見せてあげたい。脂質少なめのネタばかり食べるので、脂の浮かない清い状態のままである。
思えば、すい炎になる前から、好物の寿司ネタは脂質の少ないものばかりであった。従って、「大トロが食べられない」などと不自由を感じたことはない。なにしろ、回転寿司で一番の好物が「かんぴょう巻き」なのだ。かんぴょう巻きにはうるさい。安いメニューだけに、そんな一品にも手を抜かない店の丁寧な仕事ぶりが如実に出るのだ。
私のオススメは、あの料理評論家の山本益博さんが絶賛した天下寿司にある「かんぴょうワサビ」という一品だ。名前の通り。普通のかんぴょう巻きにたっぷりワサビが効かせてあり、刺激的でうまい。いつも最低2皿は食べるほどだ。
そんな具合に、今日もいつものように回転寿司で、イカ、生ダコ、エビ、かんぴょう巻きを乱れ食い。満腹になって、最後にお茶を飲もうとお茶のパックを湯のみに入れ、給湯ボタンをプッシュした。……硬い。おそらく誤って子どもが押してやけどしないように、あえて硬くしていることはわかるのだが、それにしても硬すぎる。