わざと硬くしている?
だから直接、回転寿司店に聞いてみた。
「お茶用の給湯ボタン、硬すぎませんか?」
担当者 あまり軟らかすぎますと、小さいお子さんがやけどする恐れがございますので、硬めにしてあります。
–子どもの誤使用目的というのはわかるのですが、大人からしても硬すぎるように思います。
担当者 お客様がご使用するに当たって、不備のないような硬さに設定するようにしているのですが、中のパッキンが劣化した場合には硬くなります。また、整備の際に少し硬めに設定してしまっている可能性もございます。
–硬さの基準はあるのですか?
担当者 一律の基準というものはございません。
–どうやって硬さを確認しているのですか?
担当者 メンテナンスの際に、一つひとつ湯のみを押し当ててみて確認をしております。機械などで数値を測っているわけではないので、硬すぎることもあるかと思います。
–どの店舗でも硬いと感じるのですが、年配の方から「硬すぎて押せない」などという声はありませんか?
担当者 年配のお客様から、「もう少し軟らかくならないのか」というご意見を何度か頂いたことがあります。しかし、小さなお子様がけがをしてしまうと大変危険でございますので、ご不便をおかけしますが少し硬くしております。ご理解いただきたいと思っております。
–ありがとうございました。
やはり、「もっと軟らかくしてほしい」という意見はすでに届いていた。店側も硬すぎると自覚しているようだが、子どもが誤ってやけどする危険を減らすために硬いままとしていることがわかった。
これは、何かに似ている……そうだ! 視聴者からの抗議を恐れ、コンプライアンスを重視するあまり自主規制しまくって番組をつまらなくしている今のテレビ業界と一緒ではないか。
回転寿司の給湯ボタンと、自分の職場であるテレビ業界の共通点を知った今回のギモンであった。他人のことばかりあげつらっている場合ではなかった。海より深く反省している。
(文=鮫肌文殊/放送作家)
<近況>
春にかけて、いろんなDJ系のイベントに出まくり。まずは4月25日(土)新宿ロフトで、伝説のパンクバンド、グリフィンの復活ライブでDJやります。久しぶりのパンクDJ、暴れに来てください。待っています!