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日向咲嗣『「無知税」回避術 可処分所得が倍増するお金の常識と盲点』第10回

ウソだらけの確定申告、知らないと損する 狙い目は期限翌日、知らぬ間に税金払いすぎ

文=日向咲嗣/フリーライター
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 確定申告の期限(今年は3月16日)まで、あと2週間を切った。給与所得者であっても、マイホームを購入して住宅ローンを払い続けている場合や、前年に大病して多額の医療費を払った場合、ふるさと納税をした場合などは、確定申告すれば一部税金が還付されるが、まだ手付かず状態という人はそろそろ本気出して取り組みたいところだ。

 詳しい申告手続きや書類作成方法については国税庁などのサイトに譲るとして、確定申告については昔からまことしやかに語られるウソが多いので、今回はその真偽に迫ってみたい。

期限を過ぎても遡って申告できる

(1)申告期限を1日でも過ぎるとアウト?

 毎年2月から3月の確定申告シーズンは、年度末で何かと忙しい時期のため時間が取れない人も多いだろう。それなのに「今年の確定申告は3月16日まで」などとあおられると、気持ちばかり焦ってそのまま申告期限を過ぎて「アウト」となりがちだ。

 期限に遅れて申告すると、納税義務者は加算税などのペナルティーを課せられる可能性はあるが、還付金目的であっても受け取る資格そのものを失うように思うかもしれない。

 しかし、そんな常識こそが大間違いだ。会社勤めの人は、毎月の給与から多めの所得税を源泉徴収されているのを思い出してほしい。すでに前年度の所得税は納付済みで、払い過ぎた分を還付してもらうために申告するわけだから、たとえ期限を過ぎてもまったく問題ないのである。

 したがって、何も仕事が猛烈に忙しい時期に寝る時間を削ってまで申告書を作成しなくても、自分の仕事が暇になってからゆっくりとやればいいのである。

 ただし、世間の流れに紛れたい人や、わからないことを詳しく聞きながら手続きをしたい人に限っては、公的サポートのあるシーズンに済ませるのがベター。しかし、そのような人でも、申告期限が過ぎた翌日に行くのがお勧めだ。例えば、今年の場合は申告期限が3月16日だから、3月17日に地元の税務署に行くのがベストなのだ。

 なぜならば、期限に間に合わなかった人のために、確定申告専用のパソコンなどが設置されたままになっていることも多く、サポート体制もそれなりに整っている。それでいて前日までの混雑が嘘のように空いている。不明点を聞くときの待ち時間も圧倒的に短い。長蛇の列ができる申告期間内に来署した人に比べれば、まるで天国のようである。

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