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小笠原泰「生き残るためには急速に変わらざるを得ない企業」

ソニー、知られざる凄まじい変貌と解体的改革 阻む社員やOBら「内なる敵」たちの愚行

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ソニーのロゴ
 前回の本連載記事では業績V字回復が叫ばれるパナソニックの事業展開についての論考を行ったが、今回は依然として業績低迷にあえぐソニーの事業展開についてみていく。

デジタル製品


 ソニーは技術に基礎を置くハード機器メーカーのイメージこそ強いが、その歴史の中で事業を多角化し、北米を中心としてグローバルに活動を展開してきている。まず、ソニーの根幹といわれるデジタル製品の領域では、テレビ(同社の売り上げの約1割)、スマートフォン(スマホ、同約1割半)、デジタルカメラ(同約1割)などの製品価値低下が著しい中で、技術の優位性に戦略的軸足を置くのであれば、キーパーツ/コンポーネンツ(部品)となるハード製品を有するかどうかが今後重要になるであろう。

 この点で、ソニーの半導体事業は、パナソニックが事実上撤退したそれとは様相が大きく異なる。ソニーにはスマホやデジタルカメラで実績のあるCMOSセンサーを筆頭とする、イメージ(画像)センサーという非常に強いデバイスを有している。このイメージセンサーは、デバイスソリューション事業本部(同社の売り上げの約1割)の売り上げの約6割を占め、500億円前後の黒字を出す貢献度の高い優良事業部門である。

 ノイズ除去機能等は競合の半導体メーカーと比較して2年近い優位性があるといわれ、米アップルや韓国サムスンなど自社以外の製品にも使用され、世界シェアは3割を超えるとされる。このCMOSイメージセンサーは世界的な成長分野であり、自動運転を念頭に置いた車載用画像センサーも視野に入れ、ソニーは積極的な投資を計画している。このイメージセンサー事業は、ソニー創業者の1人であり第4代社長となった「半導体事業の父」といわれる岩間和夫氏が手掛けた1970年台初頭のCCD(電荷結合素子)イメージセンサー開発が礎となっており、長い歴史がある。

 ソニーの名が表に出ないデバイスの外部販売をよしとしないOBもいるが、この批判は加速化するハード製品の事業環境の変化を理解できずに昔を懐かしむ、時代錯誤といえよう。技術力をもってこのデバイス事業を強化することは、技術のソニーとしては正しい事業戦略である。

エンタメ事業


 次に、ソニーの売り上げの約2割を占めるエンターテインメント事業をみてみよう。同事業は、第5代社長の大賀典雄氏の時に行われた、ハード事業からソフト事業への事業展開により生まれた。具体的には、1988年の米国CBSレコード買収、翌89年のコロンビア・ピクチャーズ買収である。